「書泉と、10冊」のスピンオフ企画として、株式会社書泉のもう一つの屋号である「芳林堂書店」が、過去の名著を復刊する「芳林堂書店と、10冊」を展開している。
これまで8作品を復刊してきた同企画だが、今回、飛鳥部勝則氏の代表作である『ヴェロニカの鍵』(文藝春秋)と『レオナルドの沈黙』(東京創元社)の2作品が、20年以上の時を経て復刊されることになった。
『ヴェロニカの鍵』は、飛鳥部氏のデビュー作である『殉教カテリナ車輪』に通ずるテーマを持つ作品。画家の謎の死と画学生の「暗い青春」が、本格ミステリ的なガジェットと共に描かれる、鈍色の輝きを放つ傑作だ。一方、『レオナルドの沈黙』は、東京創元社50周年記念出版として発売された、名探偵・妹尾悠ニシリーズ第1作。降霊会の夜に宣言された殺人予告と、密室状態の現場で発見された首吊り死体が、読者を事件へと誘う。
「芳林堂書店と、10冊」は、この2作品で記念すべき10作品目に到達。芳林堂書店高田馬場店 店長の山本氏は、「10冊には到達しましたが、まだまだ復刊はやめません。理想的な世の中へ向けて前進し続ける書泉・芳林堂書店を引き続きよろしくお願いいたします。」とコメントしている。
飛鳥部勝則氏自身も、「他人が読むという発想すらなく、自分のために書いた『ヴェロニカの鍵』の原型は、処女作『殉教カテリナ車輪』の十年前からポツンと存在していました。そのような文章を本という形にしていただいた出版社様と編集者様、この度の復刊にご尽力いただいたすべての皆様に心からの敬意と感謝を捧げます。」と、復刊への喜びを語っている。
今回の復刊を記念して、書泉オンラインでは、数量限定で飛鳥部勝則氏のサイン入り書籍を販売。さらに、2作品同時予約購入者には、新潟県の星と森の詩美術館で開催される「飛鳥部勝則とそのコレクション展(仮題)」の無料招待券がプレゼントされる。
飛鳥部氏の作品を再び手に取ることができる貴重な機会。この機会に、ぜひ飛鳥部勝則氏の傑作の世界に触れてみてほしい。