『Spaceseed Technology Forum 2025』開催概要
2025年3月27日、スペースシードホールディングス株式会社は「Spaceseed Technology Forum 2025」を開催しました。このフォーラムは、設立以来の技術開発の成果を共有し、持続可能な未来の構築に向けた議論を行うことを目的としたものです。会場は港区の札ノ辻スクエアの産業振興センターで、参加者には様々な業界の代表者やゲストスピーカーが集まりました。
フォーラムのプログラム
イベントは以下の二部構成で進行しました。まず、19時から20時にかけて、事業進捗報告が行われました。
1. 事業進捗報告
発酵関連技術とウェルビーイング構想
登壇者の鈴木健吾氏(津南醸造株式会社 代表取締役)は、津南町の厳しい雪に恵まれた自然環境を背景に、発酵技術を活用した地域再生と健康づくりについて発表しました。津南を「サーキュラーエコノミーの実証地」として世界に向けて発信する計画を語りました。
老化制御とナノ粒子
リジェネソーム株式会社の佐久間善太郎氏は、エクソソームなどのナノ粒子を用いた老化制御の可能性について紹介しました。医療や食品分野における社会実装を見据えた具体的なアプローチが展開されました。
先端エンジニアリング技術の紹介
スペースシードホールディングスの福田隆登氏は、ASEAN地域を中心に展開する深技術スタートアップの取り組みを報告しました。ドローンや画像処理を組み合わせた持続可能な土地利用技術と、次世代の高圧SPS(Spark Plasma Sintering)装置に関する最新技術が発表されました。
2. パネルディスカッション
20時からのパネルディスカッションでは、「持続可能な未来に向けて」がテーマに設定され、モデレーターの鈴木健吾氏が進行しました。参加者はそれぞれの専門分野から技術や仕組みについての意見を交わしました。
- - 若者視点と地方創生:グローバルシェイパーズ横浜ハブの末冨健丸氏は、津南町の資源が国際的に競争力を持つ可能性について言及しました。
- - AIの活用:株式会社MEMORY LABの畑瀬研斗氏は、AIを用いた文献検索手法とその応用可能性について説明し、研究トレンドの把握に関する最新の成果を共有しました。
- - 免疫と食の関係:東京科学大学の安達貴弘准教授は、米の品種と腸内環境の研究結果を報告し、日本酒と免疫活性の関係についても触れました。
- - 宇宙での細胞培養:高砂電気工業の前川敏郎氏は、JAXAとの連携による宇宙での細胞培養装置開発状況を報告し、将来的な宇宙での醸造プロジェクトの計画も紹介しました。
イベントの総括
本フォーラムは、「宇宙と発酵」「プラネタリーヘルス」というテーマを中心に進行し、異分野の技術の融合によって持続可能な社会を模索しました。参加者は、それぞれの意見を交わしながら新たな視点を得る機会となり、今後の展望についても熱く議論しました。スペースシードホールディングスは、今後もこのような技術開発と社会実装に取り組んでいく方針です。
スペースシードホールディングスについて
同社は「SFをノンフィクションにする」をミッションに掲げ、宇宙系ディープテックベンチャーとして投資活動や事業創出を行っています。同社は、発酵とロンジェビティ技術の社会実装を支援する「Fermentation and Longevity Fund」プログラムを運用し、2040年には人類の宇宙居住に必要な技術を整えることを目指しています。