海外駐在ファミリーサポート協会の設立
2024年11月1日、一般社団法人 駐在ファミリーサポート協会が東京都千代田区に設立されました。これまで企業が抱える海外駐在の問題とそれに伴う家族のサポート体制の不足を改善するための機関として、様々な活動を展開していくことを目指しています。この協会は、海外駐在員がファミリーキャリアを非妥協のまま追求できるよう導く使命を持ち、スローガンとして「駐在を、ファミリーキャリアに。」を採用しています。
日本企業の海外展開に伴う現状
近年、日本企業の海外展開が進む中で、海外駐在員の数は増加しています。2024年の統計によれば、世界中に約80万人の日本人駐在員が存在しているとされ、その多くは家族を帯同しています。実際、『駐在ファミリーカフェ』の調査によれば、約80%の駐在員が家族を伴っており、その他の調査からも、約50%の配偶者が自身のキャリアを犠牲にしている実態が明らかになっています。このように、駐在家庭は「家族のサポートが必要」と考える一方で、企業の制度やサポート体制にはまだ多くの課題が残されているのが現状です。
協会の目指すもの
駐在ファミリーサポート協会の設立背景には、こうした課題感があります。協会は、企業や関連企業と幅広く連携し、駐在員とその家族が安心して海外生活を送るための情報発信やサポートを行います。また、「安心して働ける環境作り」を目指し、健康面やメンタル面でも家族が充実できるような制度作りを推進していきます。
活動内容
協会の具体的な活動は以下の通りです。
1.
家族支援活動: 参画事業者との連携を通じた情報共有やサービス提供。
2.
勉強会の開催: 駐在中の男女や関連業者の専門家を招いて行う勉強会。
3.
交流の機会作り: 参画事業者間での事例交流を促進し、経験やノウハウを共有します。
さらに、海外での生活情報を提供するためのWEBサイト『駐在ファミリーカフェ』も開設しており、30カ国以上に在住する320名以上のボランティアと共に、さまざまな海外生活に関する情報を発信しています。自らの経験談や子育て、キャリアに関するコンテンツが豊富に揃っており、家族の不安を解消し、前向きな海外生活を送るための情報を提供しています。
ファミリーキャリアの概念
「ファミリーキャリア」とは、家族全員がそれぞれの目標や夢を追求できる環境の中で、同時に家族としても豊かな人生を全うすることを指します。この概念を基に、協会は家族全体がそれぞれの機会を活かし、すべてのメンバーが幸せな生活を送れるように支援していきます。
まとめ
一般社団法人 駐在ファミリーサポート協会は、今後さまざまな企業との連携を拡大し、駐在員とその家族が安心して生活できる環境作りを推進します。日本企業のグローバル展開の支えとなるだけでなく、経済的生産性や社会課題の解決にも寄与することを目指して、多様な取り組みを進めていくことでしょう。