すららネットが国際教育イベントAPCSE 2025に参加
株式会社すららネット(東京都千代田区)は、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材を提供する企業です。同社は、2025年にバンコクで開催された「Asia Pacific Computer Science Education Conference 2025」(APCSE 2025)の振り返りイベント「AI時代のコンピュータサイエンス教育@海外カンファレンス」に参加し、そこで得た知見を共有しました。このイベントは、AI時代に必要な教育についての様々な議論が交わされる場となりました。
日本とアジア諸国の教育の違い
カンファレンスに参加したすららネットの横井景祐氏は、日本とアジア諸国との教育における違いについて明らかにしました。特に、タイ、インド、インドネシアなどの国々はコンピュータサイエンス教育に対して「今すぐにでも実行に移す必要がある」という強い危機感を持って取り組んでおり、その熱意が印象的でした。
一方で、日本は倫理面においては強みがあるものの、実践的な学習には遅れをとっているという現状も浮き彫りになりました。AI時代を迎える中で、AIの倫理やモラルに関する教育は必須であり、日本はその価値観を大切にしつつ、実践的な教育も推進する必要があります。
日本の生成AI活用が遅れる原因
日本の教育の現場では、生成AIの活用が遅れている事実も指摘されました。特に欧米では、バイアスやデータ保護が議論される中、日本は教師自身が生成AIをあまり活用していないという現状があります。この背景には“もっともらしい嘘”を過度に気にすることで、技術の理解と活用が妨げられている可能性があります。
「AIは魔法ではない」という認識を
カンファレンスでの議論を通じて、コンピュータサイエンスは単なる「魔法」ではなく、しっかりとその仕組を理解することが必要だという重要なメッセージが発信されました。子どもたちは、テクノロジーを使うだけでなく、その背後にあるロジックを理解することが求められます。AIの時代だからこそ、本質的なコンピュータサイエンス教育が必要不可欠であると感じました。
今後の展望と教材開発への影響
横井氏は、APCSE 2025で得た知見を今後の教材開発に生かす意義を強調しました。「日本の教育現場において、AIやコンピュータサイエンスの学びが広がる中で、どんな教材が求められるかを考える場が得られた」と述べ、その貴重な体験が今後の同社のサービスに生かされていくことを期待しています。
すららネットは、国内外の教育に関する動向を踏まえ、AI時代に子どもたちが自発的に学ぶためのサービス開発に取り組み続けます。すべての子どもたちが学ぶ機会を持てる社会を目指して、今後も進んでいくことでしょう。
APCSEの概要
APCSEは、アジア太平洋のコンピュータサイエンス教育の発展を目的とした国際カンファレンスです。2024年に日本で初めて開催され、2025年にはバンコクでテーマ「Beyond Algorithms: Redefining K-12 Computing for the AI Generation」が掲げられました。各国の教育者や企業が集まり、教育の未来について熱い議論が交わされます。
日本の教育における課題を「今」真剣に考えるために、すららネットは引き続きこのような国際的な場での発言と行動を続けていきます。