京都芸術大学卒業生、田嶋宏行さんの受賞
京都芸術大学のプロダクトデザイン学科を卒業した田嶋宏行さん(2014年度卒)が、今年度のグッドデザイン賞で栄誉ある大賞(内閣総理大臣賞)を受賞しました。その受賞作品は、医療的ケアを必要とする障がいを持つ児童も楽しめる遊具「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」です。
プロジェクトの背景
この「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」は、障がい児が健常児と一緒に遊べる場所を提供するため、医師や地域と密に連携しながらデザインされました。遊具の開発には、多様なニーズを考慮し、インクルーシブデザインの理念が取り入れられています。合計5,700件を超える応募の中から金賞(ベスト20)に選ばれ、その後大賞を受賞し、特に大きな注目を集めています。
田嶋さんのメッセージ
田嶋さんは受賞の知らせを受けた際、地域、医療、ケア、遊具の分野を横断するこのプロジェクトに多くの評価をもらえたことに感謝の意を示しました。「『コトとモノ』の両面で発信できたことが評価につながったのだと思います」と語り、インクルーシブデザインの重要性や医療的ケア児の現状を知ってもらうことができたことを喜ばれました。さらに、「遊具を通じて普段あまり見えない子どもたちの姿を可視化できたのがよかった」とも述べており、社会へ向けたメッセージ性が強調されています。
教育の力
田嶋さんが所属したプロダクトデザインコースでは、文具や電化製品、インテリア用品など幅広い「モノ」を中心にデザインが探求されます。実験や国際的な企業とのコラボレーションを通じて、深い理解と視野が広がる教育が行われています。「プロダクトデザインでどうやって暮らしや社会が豊かになるかを考え、楽しみながら学ぶ体験は、将来の表現者にとって大変重要です」と田嶋さんは強調します。
大学の取り組み
京都芸術大学は、芸術を学ぶ学生が社会に貢献する力を育成することを目指しています。10学科24コースから成り、多様な分野の研究と実践が行われています。特に注目されるのは、学生たちが本物のプロジェクトに取り組む「社会実装プロジェクト」で、年間100件以上の案件が進行中です。この経験が、学生たちに社会性を備えた表現者としてのスキルを身につけさせています。
田嶋さんへのインタビュー
田嶋さんは、京都芸術大学のWEBマガジン「瓜生通信」で特別インタビューを受け、自身のプロジェクトに込めた思いや学生時代の学びについて語っています。彼のプロジェクトは、遊びを通じて子どもたちの共生社会の重要性を改めて確認させるものであり、今後もこの理念が発展することを期待しています。
詳細なプロジェクトの情報は、
こちらからご覧いただけます。
まとめ
田嶋宏行さんによる「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」は、遊具のデザインを通じて障がいを持つ子どもたちに新たな遊びの場を提供し、社会への大切なメッセージを発信しました。具体的なニーズに応じたデザインの重要性は、これからの未来においてますます求められることでしょう。