コンガテック、SMARCモジュールを新たに拡充
ドイツのコンガテック社は、2025年1月7日に新しいコンピューター・オン・モジュール(COM)、conga-SA8 SMARCモジュールの発表を行いました。この新しいモジュールは、インテルの最新Core 3プロセッサーを搭載しており、従来のモデルに比べてパフォーマンスが大幅に向上しています。
エッジコンピューティングと低消費電力
新たに登場したconga-SA8は、0℃から+60℃の環境でも安定して動作し、低消費電力であるにもかかわらず高性能を実現します。このモジュールは、最大3.9GHzのクロック周波数を持ち、TDPは9Wまたは15Wに設定可能です。特に、AI命令セットであるインテルAVX2やVNNIを活用することで、ディープラーニングの処理が迅速に行えるようになっています。さらに、内蔵グラフィックスは最大32の実行ユニットをサポートしており、オブジェクト認識やグラフィックス処理においても大きな改善が見込まれます。
この新しい技術を用いることで、エッジアプリケーションや低消費電力システムの統合がより効率的に行えるようになります。加えて、選択肢が多様化されたことでユーザーは、自らのニーズに合ったシステムを構築できる利点があります。
規模の大きな適用範囲
このモジュールが特に役立つのは、POS端末や産業用PC、AIを用いたエッジシステム、さらには物流における無人搬送車(AGV)といったアプリケーションです。また、接続オプションが豊富なため、ハンドヘルド医療機器や血液分析装置などの医療用デバイスとの相性も抜群です。特に、医療現場でのその応用は高い効果をもたらすと期待されています。
モジュールの特徴
conga-SA8 SMARCモジュールは、5種類のプロセッサーから選択でき、最大16GByteのLPDDR5-4800メモリーを搭載することで高いデータセキュリティを実現しています。さらに、TSNに対応する2x 2.5 GbEや、Wi-Fi 6E及びBluetooth 5.3のオプションにより、ネットワーク構成が柔軟に行えるよう設計されています。
アプリケーション開発の簡素化
コンガテックでは、conga-SA8モジュールを「aReady.COM」として提供しており、Bosch RexrothのctrlX OSなどをプリインストールすることも可能です。このようにすることで、ユーザーは簡単に必要な環境を構築できます。また、量産向けのキャリアボードや冷却ソリューション、デザインサービスも提供しており、開発にかかる手間を大幅に削減することができます。
結論
今回の発表により、コンガテックはエッジコンピューティングソリューションの市場に新たな風を吹き込むことが期待されます。これに伴い、業界全体に高性能コンピューティングの新たな基準が提示されることになるでしょう。そして、さまざまな分野での応用に向けた新技術の到来は、企業の競争力をも向上させる鍵となります。
詳細は、
コンガテックの公式ウェブサイトにアクセスしてください。