尼崎市が公務員採用試験で新たな成果をあげる
兵庫県尼崎市は、2023年8月25日に行われた職員採用試験の合格者発表を受けて、多くの応募があったことを発表しました。昨年度から大幅に受験者数が増加し、今回は1,458人が試験を受け、その数は前年から見ると実に2.7倍の増加を記録しています。また、これは関西の基礎自治体の中で2番目にあたる受験者数です。
この成果をもたらした要因の一つは、初任給の引き上げにあります。尼崎市は、「このまちで働きたい」と思ってもらえるよう、阪神間のトップクラスの初任給を設定しました。これにより、若い人たちのニーズに応え、地域での就業を促進しています。
採用試験の具体的な結果
- - 1次選考 受験者数: 933人 合格者数: 589人
- - 2次選考 受験者数: 531人 合格者数: 282人
- - 3次選考 受験者数: 256人 合格者数: 125人
これらの結果を踏まえ、尼崎市はさらなる人材確保を目指し、試験の方法や資格要件を見直しました。特に、応募者数が35歳以上に広がったことが注目されています。従来の応募要件に対する緩和策により、応募者の年齢層が広がり、結果として多様な人材が集まることとなりました。
応募要件の見直し
尼崎市は、試験実施にあたる要件を下記のように改革しました。
1.
事務(既卒)区分: 年齢上限を35歳から40歳に引き上げ
2.
保育士区分: 年齢上限を30歳から45歳に引き上げ
3.
技術区分: 雇用要件の緩和(履修科目数の拡大など)
この結果、全職種で35歳以上の応募者数が増加しました。例えば、R6(前年)の応募者は37人(全体の9%)だったのに対し、R7(今年)は158人(全体の16%)に達しました。
キャリア採用制度の活用
尼崎市は、既卒者の採用を拡充するために、キャリア採用制度を取り入れています。具体的には、事務区分や技術区分において、応募者の職歴を考慮し、成績優秀な方には通常よりも上位職からスタートできる機会を提供しています。このような制度により、キャリア希望者の応募者数は前年から大きく伸び、結果として多くの優秀な人材を確保しています。
就活者のニーズに応じた新たな取り組み
さらに、尼崎市は就活者の利便性を高めるために、さまざまな試みを行っています。
- - オンライン面接: 自宅での受験が可能となり、遠方からの応募者も参加しやすくなりました。
- - Night面接とWeekend面接: 社会人の方が参加できるよう配慮されています。
- - セルフエントリー方式: 面接日時の調整を応募者が選べるシステムを導入し、よりフレキシブルな対応が可能に。
これらの取り組みにより、尼崎市はさらなる人材確保に向けて前進しています。地域で働くことを希望する人々にとって、魅力的な雇用環境を整えることが、今後のさらなる成果に繋がることでしょう。