心不全治療デバイス開発
2021-09-13 16:00:02
アドリアカイム社、心不全治療デバイス開発に向けた資金調達を発表
アドリアカイム社、心不全治療デバイス開発に向けた資金調達を発表
アドリアカイム株式会社は、サイバーダイン社などからの資金調達を実施し、急性心筋梗塞患者に特化した新しい治療デバイス「ARIS」の開発を加速させています。この革新的なデバイスは、迷走神経を刺激することによって心筋梗塞の進行を抑制するためのものであり、心不全の発症を軽減することを目指しています。
資金調達の背景
急性心筋梗塞は日本国内で毎年約8万人、米国では100万人の患者が発症しています。これにより、医療の現場では急性心筋梗塞に関する治療体制が進展し、命を救う医療が進化しています。しかしながら、退院後の患者が直面する心不全は、依然として重要な課題です。2020年には日本国内で132万人、米国でも849万人の心不全患者が存在すると見込まれており、経済的にも多大な負担を強いることが予測されています。
そのため、アドリアカイム社は新たな治療方法を追求し、ARISデバイスを開発しています。このデバイスは、心筋梗塞の患者に対し、薬物治療で得られない治療効果を提供することが期待されています。アドリアカイム社は現在、PMDA(日本)およびFDA(米国)と協力し、非臨床試験を進め、探索的治療研究を準備中です。
ARISデバイスの特長と利点
ARISは、患者の迷走神経を電気的に刺激することで、心機能を改善させることを狙っています。具体的には、急性心筋梗塞患者における心筋の回復プロセスを促すべく、迷走神経の活性化を図ることで、その効果が期待されています。これにより、心不全への移行を抑えるための新しい治療選択肢となることでしょう。
また、ARISは急性心筋梗塞の標準的な治療プロセスにスムーズに導入できるよう設計されており、利用する医療機関にとっても受け入れやすいデバイスとなることを目指しています。
サイバーダイン社との提携
今回の資金調達において、特にサイバーダイン社との提携が注目されています。サイバーダイン社の山海社長は、心筋梗塞による心不全は根治が難しく、日常生活の質(QoL)に多大な影響を及ぼすことを指摘しています。アドリアカイムの取り組みは非常に価値が高く、サイバーダイン社もその支援を強化しているとのことです。
さらに、川崎市殿町キングスカイフロントに設立されたサイバニクスイノベーションベースでは、医療・バイオ系のベンチャー企業との連携も進められており、ARISの開発が加速することが期待されています。
結論
これからもアドリアカイム社は、革新的な医療機器の開発を通じて心不全の克服を目指し、患者の生活の質を向上させる活動を続けていく方針です。新しいデバイスの展開が、医療の現場にどのような変化をもたらすのか、今後の動向が非常に楽しみです。
会社情報
- 会社名
-
アドリアカイム株式会社
- 住所
- 東京都八王子市南新町13番地1八王子繊維センタービル101号室
- 電話番号
-
042-686-0777