ツルハホールディングスがデータクリーンルームを設立
ツルハホールディングスが流通小売業界において新たな一歩を踏み出しました。プロジェクトの柱となるのが「ツルハデータクリーンルーム(DCR)」。この新しい取り組みは、個人情報を保護しながら、データを安全に分析できる環境を提供するものです。協業したのは、IoTとAIを活用して流通小売業やメーカー向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する企業、株式会社アドインテです。
データビジネスの新たな潮流
最近、3rd party Cookieに対する規制が厳しくなっています。これにより、デジタル広告に携わる企業やブランドは、ターゲティング精度の向上や広告効果の測定がますます難しくなると予想されています。このような状況下で、顧客生涯価値(LTV)向上を図るためには、自社データに加えて他社データとの連携が不可欠です。しかし個人情報保護の観点から他社とのデータ共有には厳しい制約があります。その解決策がデータクリーンルームの導入です。
ツルハグループデータクリーンルームの特徴
ツルハグループデータクリーンルームは、全国2,636店舗を展開するツルハグループの豊富な顧客データを活用して、個人を特定することなく様々な分析が可能です。具体的には、顧客の来店情報や購買履歴をもとに、キャンペーン参加への影響を追跡し、そのデータを匿名で可視化することができます。この可視化結果を基に、新しいキャンペーンの設計や実施が実現します。
また、データクリーンルームでは、ツルハグループが保有するデータと、ブランドメーカーが保有するデータをセキュアな環境で突合せることが可能です。例えば、実際の店舗での購買動向や顧客の行動パターンを解析し、それに基づいたより高度な広告戦略を策定できます。これにより、広告配信の精度を高め、効果の可視化を促進します。
フューチャー・プラン
今後もアドインテはツルハグループとの連携を強化し、ユーザー体験向上を目指したリテールメディアの開発・運用を進めるとともに、新たなプロダクトの開発やサービス強化に取り組む意向です。また、ブランドメーカーに向けても、自社データを活用した精度の高い広告施策の実現に貢献していく方針です。
企業情報
- - 会社名: 株式会社アドインテ
- - 設立: 2009年4月
- - 代表者: 十河慎治
- - 所在地: 〒600-8441 京都府京都市下京区新町通四条下る四条町347-1 CUBE西烏丸7F
- - URL: アドインテ公式サイト
この新たな試みが流通業界にどのような影響を及ぼすのか、今後の動向に注目が集まります。