創業290年の老舗酒蔵が新たな挑戦、クラウドファンディングで目標クリア
福岡県の「菊美人酒造」が、設立290周年を迎え新たな価値の創造を目指して、クラウドファンディングに挑戦。今年、同酒蔵は45日間のプロジェクト期間を設け、目標金額100万円の達成にわずか1日もかからず成功を収めました。この快挙は、リブランディングに挑む同酒造の後継者、十代目の江﨑隆一郎氏の熱意とビジョンによるものです。
クラウドファンディングの始まり
菊美人酒造は、今までのデザインを一新し、「花を贈るように」というコンセプトのもと、贈答用の日本酒に特化したリブランディングを進めています。江﨑氏は、「多くの支援をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです」と語り、ネクストゴール300万円への挑戦も表明しました。このプロジェクトは、2024年1月14日から始まり、2月28日までの期間で続きます。
江﨑氏は、これまで料理や飲食業界で経験を積んできただけでなく、経営コンサルティングにも従事してきました。その背景は、酒蔵の伝統を新しい形で表現する基盤となっています。
応援の声
クラウドファンディングのページでは、支援者から「日本酒の文化を守ってほしい」という応援の声が寄せられています。中でも、ある女性は「世界中の人にも日本酒の素晴らしさを広めてほしい」と期待の声を上げ、またある男性は「お酒を贈ることで人々の心をつなげる文化を大切にしたい」と述べています。このように、菊美人酒造の新たな取り組みに対して、多くの人が期待を寄せています。
リブランディングの重要性
日本酒業界は、新型コロナウイルスの影響も受け、多くの酒蔵が厳しい局面に立たされています。江﨑氏は、「日本酒が特別な贈り物という位置づけであることを認識し、そのニーズに応えていきたい」とリブランディングの狙いを説明します。特に、贈られた側がそのお酒を味わうことで新たな物語が始まると感じているとのこと。このアプローチは、伝統的な日本酒の魅力でもあり、次世代につなげるための重要な要素と言えるでしょう。
新商品ラインナップ
菊美人での新ラインナップには、「菊美人 花冠」や「菊美人 月映」といった、草花に関連する名を持つ日本酒が並びます。この商品名は、贈る人の想いを表現するために慎重に選ばれています。さらに、誕生日や記念日、手土産など、多様なシーンに適した日本酒を用意し、心のこもった贈り物を楽しめるよう配慮しています。
酒造りの工夫と苦労
蔵内見学では、通常では見ることのできない内部を案内し、杜氏が酒造りの工夫や苦労を語ります。この貴重な体験を通して、お酒の魅力をさらに深く理解することができ、試飲体験も含まれています。この背後には、江﨑家の代々受け継がれてきた伝統と技術が息づいています。
菊美人酒造は、今後も日本酒の美味しさとその素晴らしさを伝えるために挑戦を続けていくでしょう。新たなパッケージデザインや、商品の魅力を引き出す言語表現を通じて、より多くの人に日本酒の良さを届けていく姿勢が伺えます。日本酒の文化と価値を守り育てるために、菊美人酒造の挑戦から目が離せません。