坂戸市商工会が生成AIを活用し地域支援に道を開く
埼玉県坂戸市に位置する坂戸市商工会が、生成AIを利用し、地域経済支援の新しいモデルを確立しました。この取り組みは、「21世紀商工会グランプリ」人材育成部門において、令和7年度の全国準グランプリを受賞するという成果を上げています。
この商工会は、正職員7名、臨時職員を含む9名の小規模な組織ですが、生成AIを活かしたデジタル変革(DX)を推進することで、地域の商業者への支援体制を大幅に向上させました。具体的には、事務作業の大幅な効率化を実現し、年間200時間以上の業務時間を創出。その創出された時間を、実際の現場訪問や相談対応に充てることで、商業者に対する伴走時間を増やしました。
地域経済を支えるための組織刷新
坂戸市では、過去5年間で約330の事業所が消失し、地域経済の縮小が深刻な問題となっています。この現実に対応するために、本橋会長は令和6年度から坂戸市商工会の組織体制を改革し、職員が自律的に考え行動する「支援人材再設計モデル」を導入しました。以前は、指示を待つのみの組織文化でしたが、今は各職員が自ら課題を発見し提案するプロアクティブな文化が醸成されています。
この改革により、職員の新規事業提案数は令和6年度に22件に達し、前年度の5件から4.4倍に跳ね上がりました。YouTubeを活用した情報発信や地域との連携イベントなど、能動的な施策が次々と生まれてきました。
DX化による業務効率化の実現
業務のDX化が進む中、具体的には生成AIを活用して議事録作成の時間を大幅に短縮しました。5時間かかっていた作業をわずか5分で済ませることができ、こうした効率化によって年間200時間以上の作業時間を削減。これにより生まれた時間を comércio支援の現場訪問に再分配して、リアルタイムのサポートが可能になりました。
また、補助金申請の公募要領のAI解析を導入し、会員の質問に対してその場で素早く回答する体制も整備。これまで以上に迅速な支援が提供できるようになりました。
地域共創型プロジェクトの展開
坂戸市商工会は、変革の成果が令和7年11月の全国準グランプリ受賞につながったとして、さらなるプロジェクトの展開も視野に入れています。たとえば、行政や金融機関との連携を強化し、事業承継に関する三者協定を締結しました。また、地元大学生との交流を深めることで、新たな視点を地域活性化に生かそうとしています。
さらに、坂戸市の特性を活かした地域ブランド事業「おはこプロジェクト」の検討委員会も設置し、地域の強みを次世代へと伝えるための活動を本格化させる予定です。
今後の展望と決意
坂戸市商工会会長の本橋聡氏は、「全国表彰の目標を達成したことは、職員が一丸となり奮闘した証」と述べ、次年度にはさらなる成果を目指す姿勢を強調しています。地域の強みを磨き上げ、全国に発信することを通じて、一層の人の流れと経済の活性化を目指す決意を新たにしています。
このような取り組みを通じて、地域経済の再生に向けた実践的かつ創造的な支援が、坂戸市商工会によって進められていることに注目です。