荷積み計画の自動化に向けた新技術の導入
横河電機株式会社は、従来のトラック荷積み計画作業を大幅に短縮するために、独自に開発した荷積み計画AIを北越コーポレーションに導入する実証実験を行いました。この試みは、複数の匠が熟慮して作成していた荷積み計画を自動化し、作業を効率化することを目的としています。
実証実験の背景
北越コーポレーションは、紙やパルプ製品の製造、販売を主な業務としており、荷積みの計画は非常に複雑です。各紙製品の形状や運搬方法、配送先など、考慮しなければならない条件が多岐にわたります。また、ドライバーの負担を軽減するために、できるだけ配送先を集約する必要があります。従来の方法では、これらの複雑な条件を取り扱うのが難しかったのです。
AIがもたらす新たな可能性
横河電機が開発した荷積み計画AIは、匠の思考プロセスを再現することを目的に設計されました。AIコンサルタントが匠からその思考プロセスや現場の事情をヒアリングし、それを基に高機能なAIを構築しました。
実証実験の結果、このAIは従来、長時間を要していた荷積み計画立案を、わずか10秒以内で行うことが可能であることが確認されました。これにより、出荷品、配送車両、配送先といった複雑な条件を一度に考慮しつつ、高速で正確な計画の立案が実現しました。
驚くべき「気遣い」でドライバーの負担を軽減
さらに、匠の思考プロセスには人間ならではの気遣いを盛り込むことに成功しました。配送先を一カ所に集約することでドライバーの負荷を軽減し、複数の配送先がある場合でも可能な限り近くにまとめるように計画する機能も搭載されています。このように、高度な技術を駆使しながらも、ヒューマンタッチを感じさせる計画が立てられています。
未来の物流業界に向けた展望
今後、横河電機は、さまざまな企業の事情に合わせた荷積み計画AIを提供していく方針です。この技術を利用することで、物流現場の業務効率化だけでなく、持続可能な運用体制の構築にも寄与していくことを目指しています。