新たに発行されたEMC規格日・英対訳版
一般財団法人日本規格協会が2025年7月1日、電磁両立性(EMC)に関する重要な規格「IEC 61000-4-2 Ed. 3.0:2025 (b)」の邦訳版を発行します。この規格は静電気放電イミュニティ試験に関するもので、電子機器の信頼性を保つための基本的要素となります。
電子機器とEMC規格の重要性
私たちの生活には、携帯電話や家電など多くの電子機器が深く関わっています。最近の日常生活においては、これらの機器が正常に機能しないことが、生活に大きな影響を与えることが少なくありません。そのため、電子機器が安全に動作することを保障するEMC規格は極めて重要です。
各種電子機器が誤動作することにより、社会基盤への影響やひいては命に関わる事故が発生するリスクも秘めています。従って、製品を市場に投入する際には、EMC規格をクリアした上でなければなりません。
IEC 61000シリーズの概要
IEC 61000シリーズは、EMCに関する多岐にわたる規格を網羅しています。このシリーズは、言葉の定義や安全性、試験方法など、EMC関連の基本的事項を明確に規定。新たに発行される「IEC 61000-4-2 Ed. 3.0:2025 (b)」は、静電気の影響に対する機器の耐性を評価するための詳細な試験方法を定めています。
静電気放電イミュニティ試験の内容
本規格において重点が置かれているのは、操作者から発生する静電気放電や、近接する物体への静電気放電が、電子機器に与える影響です。このため、静電気からの保護や、試験手順についての明確なガイドラインが設けられています。
- - 試験方法の確立: 異なる環境での試験条件を盛り込み、より実用的な評価を行います。
- - イミュニティ要求事項: 機器がどれほどの静電気に耐えられるかが評価されます。
パブリックに提供される「英・日対訳版」は、技術者や製品開発者にとって貴重なリソースとなるでしょう。やがて発行されるこの規格は、企業にもコンプライアンスへの対応を強化するビジネスチャンスをもたらすと期待されます。
購入情報と関連書籍
この規格の価格は、英語版が税抜70,270円、邦訳版は税抜130,086円となっており、共にA4判でページ数は微妙に異なります。規格書の購入を希望する方は、日本規格協会の公式サイトを訪れると、さらに詳しい情報や購入手続きが行えます。
また、関連書籍「JISハンドブックJIS HB 70 電磁両立性(EMC)」も手頃な価格で購入可能で、持ち運びに便利なサイズです。EMCの広範囲な知識を得るための良い手段となるでしょう。
JSAライブラリサーバ
特にリモートワークが普及しつつある昨今、JISハンドブックの電子版であるJSAライブラリサーバは、テレワーク中や外出時でも簡単にアクセスできる便利なサービスです。
日本規格協会の役割
一般財団法人日本規格協会は、1945年に設立された標準化及び管理技術の開発機関です。JIS、国際規格、各種セミナーの実施など、多岐にわたるサービスを展開し、日本の産業界と社会の質を向上させるために尽力しています。今回のEMC規格の発行も、その使命の一環といえるでしょう。柔軟な対応が求められる現代において、この新たな規格は確かな一歩になることが期待されます。