MUFGとみずほ、リオ・グランデLNG事業の疑念
米国、サンフランシスコを拠点とする環境NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)」は、2023年10月20日に『赤道原則ファクトシート』を発表し、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とみずほフィナンシャルグループが米テキサス州のリオ・グランデLNG事業への融資を行うにあたり、赤道原則の不遵守の疑いがあると指摘しました。この赤道原則は、大規模事業の融資に際し、環境や社会への影響を評価するための国際的な基準として知られています。
調査の背景と目的
報告書は、MUFGとみずほがリオ・グランデLNG輸出ターミナルへの資金提供を行った際に、どのように赤道原則を無視しているかの分析を行っています。具体的には、日本の金融機関が支援するリオ・グランデLNG事業が、地域コミュニティとの適切な対話を欠いていることに懸念が寄せられています。特に、カリゾ・コメクルド族の聖地に隣接する地域であることから、先住民族の権利を無視しているとされています。
調査の結果、MUFGとみずほは、ステークホルダーとのエンゲージメントにおいて多くの基準を満たしていないことが明らかになりました。また、事業者であるネクスト・ディケイド社が、地域のコミュニティに対し適切な情報を提供せずに作業を進めていることも問題視されています。
具体的な実行内容
1.
継続的なコンサルテーションの欠如: 事業の進行中に地域コミュニティとの対話の機会が十分に提供されていない。
2.
未発表の評価結果: 環境・社会的評価の結果も公表されていない中で、事業の現地整地が進められている。
3.
FPICの未取得: 先住民族からの「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC)が得られないまま建設が進行。
MUFGとみずほの役割
MUFGとみずほは、このリオ・グランデLNG事業において重要な役割を果たしており、資金提供やアドバイザーとしても関与しています。具体的には、リオ・グランデLNGの第1フェーズに対してMUFGが約16億4292万ドル、みずほが約12億2292万ドルを提供しているほか、今後の第2フェーズでもMUFGが約1億9000万ドルの投資を行う予定です。このような経済的支援が、地域社会に負の影響を及ぼしている可能性が浮き彫りになっています。
フィードバックと提言
RANは、MUFGとみずほに対し、以下の対応を早急に考慮するよう求めています。
- - 事業による地域コミュニティへの悪影響を事実確認すること。
- - トラブル解決に向けた具体的な話し合いを進めること。
- - 企業の方針不遵守状況をもとに、今後の支援を見直すこと。
麻生里衣氏(RAN・責任ある金融キャンペーナー)は、「両銀行の資金提供の決定は社会や環境に対するコミットメントが空虚であることを示しています。」と警鐘を鳴らしています。地域の声が無視される現在の状況が改善されなければ、さらなる対立や問題が起こる可能性が高いのです。
まとめ
今回の報告書は、MUFGとみずほが国際的な環境基準を果たす責任を果たしていない可能性を浮き彫りにしています。地域コミュニティとの積極的な対話がなければ、依然として課題が残り、持続可能な発展が阻害されることになるでしょう。