ライカ・オスカー・バルナックアワード2025の始まり
2025年度のライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)が、45回目を迎えて新たな幕開けを迎えました。今年のテーマは、「ライカI」誕生100周年を祝う「100 years of Leica: Witness to a century (1925-2025)」。この節目の年に、毎年新たに選出される審査員が決まり、アワードの選考プロセスが本格的にスタートしたのです。
ライカ・オスカー・バルナックアワードの歴史
1980年に初めて開催されたLOBAは、現代写真界における重要なフォーラムとしての地位を確立しています。アワードの受賞者は、毎年国際的な推薦委員会によって選出され、審査員が最終的に各部門の受賞者を決定します。2025年度の審査員は、歴史的な受賞者から現役の写真家まで多彩な顔ぶれが揃っています。具体的には、米国・フランスの写真家ジェーン・エヴリン・アトウッド、フランスの『ル・フィガロ』誌からシリル・ドルエ、オーストリアのフォト・アーセナル・ウィーンのフェリックス・ホフマン、ドイツのプレステル出版からクルト・ホルツ、そしてライカギャラリー・インターナショナルのカリン・レーン=カウフマンです。
審査の流れ
審査は4月にドイツ・ウェッツラーのライカカメラ本社で行われ、一般部門と新人部門それぞれで最大12名のファイナリストの中から受賞者が選ばれます。一般部門は約50ヶ国から集まったエキスパートによる推薦をもとに候補者が選出され、各推薦者が専門知識に基づいて作品シリーズから最大3名の写真家を推挙します。テーマは「人々とその周辺環境との関係」で、ドキュメンタリー写真またはコンセプチュアルアート写真が対象です。この選考コンセプトは、LOBAの設立以来一貫しており、人間を主眼におく重要な指針となっています。
新人部門は、30歳未満の若手写真家を対象にした「ライカ・オスカー・バルナック・ニューカマーアワード」として2009年に新設され、世界中の高等教育機関や国際機関と協力して受賞者が選ばれます。
賞金と展示
LOBAはその権威だけでなく、賞金額の面でも世界的に高い評価を得ています。一般部門の受賞者には、40,000ユーロの賞金が与えられ、さらに10,000ユーロ相当のライカカメラ製品が贈られます。一方、新人部門の受賞者には10,000ユーロの賞金とともに「ライカQ3」が贈呈され、さらには受賞作品やファイナリストの作品は10月にエルンスト・ライツ・ミュージアムを皮切りに、各地のライカギャラリーや写真フェスティバルで展示される計画が進んでいます。受賞者発表は、ウェッツラーの授賞式で行われる予定で、全ファイナリストの作品は7月中旬以降に公式ウェブサイトで公開されます。
ライカカメラ社について
ライカカメラ社は、150年以上の歴史を持つグローバルなプレミアムメーカーで、カメラやレンズ、スポーツオプティクスを手掛ける企業です。ドイツ・ウェッツラーを本社として、自社で製造したプロジェクターを使ったホームシネママーケットにも参入しています。また、ライカブランドの文化の一環として、写真文化の育成にも力を入れており、世界中に約30箇所のライカギャラリーを設置し、国際的なアワードの主催などを通じてその使命を果たしています。
公式ウェブサイトでは、アワードの詳細情報や過去の審査員インタビューも掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。これからのLOBAも目が離せません!
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