新たなミステリーの幕開け
2025年1月29日、株式会社新潮社から前川裕の最新作『嗤う被告人』が刊行されます。この作品は、実際の事件からインスパイアを受けたものであり、特に「紀州のドン・ファン事件」を背景にしています。
銚子のドン・ファンとは?
「銚子のドン・ファン」と呼ばれる主人公は、55歳も下の若妻を持った好色な老資産家です。物語は、彼が死ぬところから始まり、結婚したばかりの若妻が殺人罪で起訴されるという衝撃的な展開を迎えます。
主人公の若妻は、自身の無実を訴えつつも、接見を重ねる新人女性弁護士との間で展開される心理戦に巻き込まれることになります。弁護士は被告の言動に振り回され、徐々に事件の真実に近づいていく様子が描かれています。
この過程で、読者はただの殺人事件が持つ深い心理的な側面に直面し、本当の正義とは何かという問いを考えさせられます。
実際の事件とのリンク
前川裕は、作品の巻末で「紀州のドン・ファン事件」に基づいた多くの要素を取り入れていると述べています。528ページもの長さを持つこの長編小説の中では、ストーリーや登場人物の多くがフィクションであるものの、実際の事件と重なる部分も数多く存在します。
特に、一審で無罪判決が下った際のドキドキ感が作品に色濃く反映されています。読者は、法律制度の裏側、そして人間の心理がどのように作用するのかを見つめ直すことになるでしょう。
書店員の声
書店員たちもこの作品に驚愕しており、各地からの反響が寄せられています。
- - 鹿島ブックセンターの八巻明日香さんは、「中盤からの心理戦に目が離せなくなった」とコメント。
- - 丸善高島屋堺店の辻林遙さんは、法律とは誰のために存在するのかという難しい問いが浮かんだと明かしています。
- - ジュンク堂書店滋賀草津店の山中真理さんは、誰が誰を操っているのかがわからず、一層の緊急感を持って読み進めたと語ります。
著者の経歴
前川裕は、1951年に東京都で生まれ、一橋大学で法学を学び、その後東京大学大学院で人文科学を研究しました。長年法政大学の教授を務め、2012年には『クリーピー』で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、作家としての道を歩み始めました。
今回の『嗤う被告人』が、彼の新たな代表作となることは間違いありません。読者はこの作品を通じて、人間の心理の深層に触れ、真実の意味を考えるきっかけを得ることでしょう。
書誌情報
- - 【タイトル】嗤う被告人
- - 【著者名】前川裕
- - 【発売日】2025年1月29日
- - 【定価】2100円(税込)
- - 【ISBN】978-4-10-335196-2
この特異な実話系ミステリーを手に取り、あなた自身の真実を見つけ出す旅に出かけてみてはいかがでしょうか。