世界と日本の名著が漫画で蘇る!『遠野物語』の魅力
2024年9月20日、株式会社KADOKAWAから、老舗の民俗学の名著『遠野物語』がコミカライズされ発売される。この作品は新しいシリーズ「KADOKAWA Masterpiece Comics」の一環として展開され、前作に続く力強いラインナップの一つとなっている。
『遠野物語』とは?
『遠野物語』は、日本民俗学の金字塔とも称され、柳田国男によって編纂された伝説や民間信仰の収集を基にした著作である。物語は、雪女や河童、ザシキワラシ、天狗といった日本の妖怪たちにまつわる故事を通じて、日本人の死生観や自然観を描いている。
この本は金田一京助から「日本のグリム」と呼ばれ、折口信夫には「グリム以上」と評価されるほど、歴史的意義を持つ作品だ。今作では気鋭の漫画家・鯨庭氏の絵によって、より現代的なアプローチで物語が表現される。
ロバート・キャンベル氏の推薦コメント
日本文学研究者であるロバート・キャンベル氏は、このコミカライズ版について深い賞賛を寄せている。彼は「おぼろげな目線の先に、色んな境目が見える。狐の脚も、少女の目も、草木の匂いまでも絵から立ちのぼるようだ」とコメントしており、作品の持つ神秘的かつ幻想的な要素を見事に捉えている。
著者陣の紹介
実在動物と空想動物をテーマにした作品を手掛ける漫画家。受賞歴も多くあり、彼の独自の視点から生まれる作品が期待される。
日本民俗学の父とも称されるこの人物は、1875年兵庫県生まれで、数々の著作を残した。
東京学芸大学名誉教授で、民俗学と日本文学が専門。彼の知識が作品の深みを一層増すことだろう。
コミカライズの意味
この新たな試みは、ただ原作を再現するだけでなく、物語全体に現代的な感覚を持たせ、より多くの読者に親しみやすい形で再提示することを目指している。該当する神や妖怪たちの物語は、現代人が直面する内面的な問題や葛藤ともリンクされ、共感を呼ぶことでしょう。
書誌情報と発売日
書名:『遠野物語』
漫画:鯨庭
原作:柳田国男
監修:石井正己
定価:1,320円 (本体1,200円+税)
発売日:2024年9月20日(金)
判型:A5判
ページ数:216
発行:株式会社KADOKAWA
まとめ
日本の伝統文化と現代の漫画表現が融合するこの作品は、ただの復刻版ではなく、新しい文化の創造を促す試みでもある。9月の発売が待ち遠しいところだ。公式サイトやSNSでの情報もチェックしてみよう。
公式サイト:
KADOKAWA Masterpiece Comics