酪農を救うために動き始めたパルシステムのキャンペーン
夏の暑さが厳しい日本、特に学校の休業期間中は牛乳の需要が大幅に減少することが懸念されています。そこで、パルシステム連合会が7月22日から開始したのが、この乳製品の消費を促すキャンペーンです。特に、学期中は学校給食がなくなるため、牛乳の需要は1日当たり約1,000トンも減少することが見込まれています。このような中、パルシステムは家庭での牛乳消費を促し、コロナ禍で苦境に立たされている酪農家を支援しようとしています。
特別価格での乳製品販売
今回のキャンペーンでは、代表的な乳製品である「こんせん72牛乳」と「こんせんプレーンヨーグルト」を特別価格で提供。特に「こんせん72牛乳」は毎週15万本も利用されている人気商品であり、この機会に新たな消費を喚起したい考えです。また、8月9日までにこれらの商品を合計4点以上購入した方には、抽選で1,000名に酪農柄のオリジナルハンカチがプレゼントされます。これらのハンカチは、暑い夏の日々に使用できるガーゼ素材で、酪農の魅力を感じさせるイラストが描かれています。
酪農業の現状
現在の酪農業は、国際情勢の不安定さや円安の影響を受け、飼料や燃料、物流コストが増加し続けており、経営が厳しくなっています。農水省のデータによると、2024年2月までに酪農家の戸数は年間700戸減少し、現在の戸数は1万1900戸にまで落ち込んでいます。これにより、離農が加速している背景があります。特に今年の8月には、全国の生乳日平均生産量がピーク時と比べて1,500トン以上減少すると予想されており、厳しい状況は続く見込みです。
ところが、冷涼な気候を持つ北海道では、牛乳需要の減少が比較的緩やかで、特に根釧地区においては生乳の余剰が懸念されています。パルシステムでは、地域の生産者を応援するために、地元で生産された「こんせん72牛乳」などを積極的に使用していく方針です。
生産者からの感謝の声
パルシステムは1985年から「タオルを贈る運動」を通じて、生産者への感謝の気持ちを伝える活動も行っています。この運動では、タオルを集めて生産者に届け、彼らの作業をサポートしています。参加している酪農家からも利用者への感謝のメッセージが届いており、生産者たちの衛生意識の向上につながっているとの声もあります。
生産者の一人、釧路酪農女子グループのBecottoは「日頃の衛生管理意識向上につながる素晴らしい取り組み」と感謝の意を示し、引き続き美味しい生乳を生産していく決意を表明します。さらによつ葉乳業の根釧工場では、「こんせん72牛乳」の品質に自信を持って製造していると伝えています。
結論
パルシステムのこの取り組みは、酪農家を救うためだけでなく、消費者にも利点をもたらすものです。今夏はぜひ、乳製品を積極的に消費し、地域の生産者を応援していきましょう。自分たちの消費が、酪農業の未来を支える力になっています。