名古屋市とDIIIGが描く新しい街の魅力
名古屋市は2024年7月17日から8月4日まで、金山総合駅において株式会社DIIIGと共同でさまざまなデジタルソリューションを用いた実証実験を実施しました。この実験の目標は、駅周辺のエリア活性化と地域の回遊性の向上に貢献することです。その活動は、最新技術を駆使して街の情報を効果的に発信し、来街者の行動を促すことにあります。
実証実験の背景
金山駅はJR東海道線をはじめとする多くの路線が交差する交通の要所です。しかし、駅と周辺地域との間で利用者の流動が乏しく、衰退の懸念が高まっています。この問題を解消するために、名古屋市は金山駅とその周辺の再開発を進めており、この実証実験はその一環として行なわれました。
実験は、金山駅の利用者の人々が駅を出て街に出かけるように仕向ける取り組みであり、DIIIGが開発したデジタルマップやエッジAIカメラを搭載したデジタルサイネージを活用しました。
実証実験の内容
金山駅周辺では、デジタルサイネージが設置され、訪問者に向けた様々な情報がリアルタイムで提供されました。
1.
顔認識カメラ付きデジタルサイネージ:この装置は駅利用者の関心を引く工夫を施し、コミュニケーションと情報発信の新たな場となりました。特に、イベント情報や施設の案内も含めたコンテンツ配信を介して、人々の行動を観察・分析しました。
2.
御神輿の情報配信:金山まつりにあわせて、御神輿の行進をデジタルマップ上で表示し、利用者が現在地を把握しやすくしました。これによって祭りの臨場感を体験することができました。
3.
タイムラインシステム:参加者がその場で撮った写真やメッセージが即座にデジタルサイネージに反映され、街中の活気を視覚的に楽しむことができました。
実施結果
この実証実験から得られたデータは多岐にわたり、特に駅利用者がデジタルサイネージに対して高い関心を寄せていることが明らかになりました。実験の結果、全体の8.8%の利用者がサイネージに到達し、設置した場所によっても様々な結果が示されました。特に日中の時間帯には、視認率が向上し、サイネージを見た人々が祭りやイベントに参加するきっかけとなったことも確認されています。
技術と地域文化の融合
金山駅での実証実験は、今後の街の魅力を発信するための新たな手法を模索することが目的でした。御神輿の位置情報や生中継映像を組み合わせることで、リアルタイムでのお祭りの様子を伝えることに成功し、参加者の心をつかむことができました。
DIIIGは、今後さらにデジタルマップを用いた情報発信の幅を広げることで、観光体験の新しい形を提供することが期待されています。地元コミュニティと新たな技術との融合を通じて、地域文化の魅力を伝え、活性化させることが目指されています。
これからも、名古屋市とDIIIGの取り組みが地域活性化の新たなスタンダードを築いていくことを期待したいです。