2024年8月の消費意欲指数、猛暑の影響で低調に推移
株式会社博報堂のシンクタンク、博報堂生活総合研究所が2024年8月の消費予報を発表しました。この調査は、20歳から69歳の男女1,500名を対象に行われ、毎月の消費意欲を点数化しています。8月の消費意欲指数は47.3点となり、前月からは+0.9ポイントの上昇が見られましたが、前年比では-3.3ポイントの大幅な低下となっています。これにより、過去5年間の同月の中で最も低い数値が記録されました。
8月の消費意欲に関するポイント
1. 夏休みの影響と猛暑の逆風
8月は通常、夏休みや帰省シーズンによって消費意欲が高まる傾向にあります。しかし、今年は猛暑が影響し、消費意欲指数は例年と比べてやや低めです。具体的には、ポジティブな回答は前月から横ばいで364件、ネガティブな回答も840件とほぼ変化が見られませんでした。ただし、季節的な要因による意欲向上の回答は増加しており、旅行の予定を話す世代が増えたのは嬉しい傾向です。
特に、ポジティブな回答として「夏休みがあるため、季節的な意欲向上」の件数が140件に増加したことが見受けられます。一方で「(季節もの以外の)出費予定がある」という回答は減少しました。この結果から、消費者が特定の季節に意欲を持ちつつも、全体的には出費を控えめにしていることが読み取れます。
物価高とその影響
また、消費に対するネガティブな回答の中で、「暑い季節は出かけたくない」との意見の増加が著しく、これは猛暑の影響を直接的に示しています。物価の影響に関しては、前月からは若干減少傾向にあるものの、依然として高い水準にあるため、消費者の警戒感が続いていることも要因となっているでしょう。
2. 消費意向の減少傾向
「特に買いたいモノや利用したいサービスがある」と回答した人の割合は28.1%であり、前月比では-1.3ポイント、前年比でも-3.2ポイントの減少が見られました。消費意向は「旅行」だけが前月比で増加したものの、その他のカテゴリーではいずれも前年比で減少しています。
具体的には、旅行に関する意向は20件以上の増加が見られる一方で、書籍やエンタメ、化粧品に関しては20件以上の減少が見られました。これにより、消費者が特定の活動に向かう傾向はあるものの、全体としては外出関連や幅広いサービスにおいて意欲が落ち着いていることが浮き彫りとなります。
総評
このように、2024年の夏休みシーズンに対する消費意欲は、例年の活気が見られない現状が浮き彫りとなりました。猛暑の影響や物価の高止まりといった要因が消費に与える影響は軽視できません。旅行への意向が高まる一方、他の多数の消費意欲は落ち着いていることから、特に今後の冷却期間における市場の動きには要注目です。
詳しい調査レポートについては、博報堂のニュースリリースページでご確認ください。