アクティブシニアの外出支援を目指した八王子の実証実験
東京都八王子市において、株式会社ソニックスとリハビリ型デイサービスファミタウン八王子が協力し、シニア向けの外出支援の実証実験を行いました。実験は、地域包括支援センターなどの協力のもと、5月24日から7月30日まで実施されました。この取り組みは、厚生労働省が提唱する地域包括ケアシステムを支えるもので、特に自動車の運転免許を返納したシニア層に着目し、外出に必要な手段やニーズを探ることが目的でした。
実証実験の概要
実証実験には約130人が対象になり、そのうちの約4分の1に当たる33人がこのサービスを利用しました。乗車回数は計98回に上り、特に2回以上利用した層が半数以上を占めるなど、外出に対する高いニーズが見て取れました。「おでかケア便」という名称で提供されるクラウド型MaaSシステムを用いて、利用者は簡単に外出することができました。
利用者の満足度とニーズ
利用者へのアンケート結果は驚くべきもので、すべての利用者が「満足」または「大変満足」と回答し、80%以上が「大変満足」と評価しています。この結果から、サービスへの信頼と期待が高まっていることがわかります。また、利用者の多くが病院への通院や買い物を目的としており、日常生活に欠かせない移動手段としての必要性が浮き彫りになりました。
外出へのハードルを低減
実証実験を通じて、荷物持ちなどの簡単な支援が外出を促す要素であることが確認されました。助けが提供されることで、普段は外出をためらっていた利用者も積極的に外に出かけるようになっています。特に、介護施設のスタッフが送迎を行うことで「顔見知りの人が対応する」との安心感が生まれ、予約時には支援が不要だと考えていた利用者も、実際の利用時に助けが必要と感じることがあるようです。
今後の展望
実施された実証実験の結果は、地域包括ケアシステムの生活支援や介護予防の取り組みとして、外出機会を創出する可能性を示しています。今後は実験条件の見直しや新たな評価指標の策定に向けた計画が進められ、サービス拡大に向けた努力が続けられる見込みです。
詳しい結果は
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まとめ
今回の実証実験は、高齢者の外出支援に対するニーズがいかに高いかを如実に示しました。八王子の取り組みは、他地域への導入の可能性を大いに秘めており、今後の展開に期待が寄せられます。