新しいポリイミド素材TORMEDが宇宙へ進出
滋賀県大津市に本拠地を置く株式会社アイ.エス.テイは、低軌道(LEO)での厳しい環境に耐える透明ポリイミドフィルム、TORMED(トーメッド)の量産を決定しました。これは、いくつかの民間試験衛星において、太陽電池保護膜としての機能を1年以上にわたって実証した結果です。
このフィルムが民間商業衛星に採用されるのは国内でも例が少なく、特に宇宙産業においての重要なマイルストーンとなります。TORMEDはその透明性と耐久性が評価され、今後は2026年からの本格的な量産が予定されています。
過酷な環境に耐える素材
低軌道環境では、強い紫外線、プラズマ、高温と低温のサイクルなどが交互に訪れるため、宇宙で使用する材料には厳しい耐久性が求められます。TORMEDは、当社の独自の分子設計技術により、軽量でありながら放射線にも強く、優れた光学特性を兼ね備えた次世代のポリイミドで、宇宙機構の標準要求を超える耐久性を実現しています。
更に、将来的には薄膜(12.5μ)技術の開発も視野に入れており、フレキシブル型の太陽電池パネルへの導入も進めています。このように、TORMEDはリジット型パネルにとどまらず、様々な応用可能性を秘めているのです。
あらゆる用途を見据えた展開
当社では、TORMEDを使用した生産体制の強化を行い、宇宙用途だけに限らず、電子デバイスの保護材料、さらには次世代エネルギー関連分野への展開も企図しています。これにより、過酷な環境下での使用に最適な素材を提供し、国内ものづくりの発展に寄与することを目指しています。
TORMEDは既に高機能材料として、その可能性を多くの事業者に認識され始めています。株式会社アイ.エス.テイはこれからも、素材の研究と開発を続け、新たな市場を開拓し続ける意欲を持っています。宇宙産業の発展はもちろん、国内製造業界への貢献を目指し、さらなる技術革新を追求していきます。
会社概要
- - 会社名: 株式会社アイ.エス.テイ
- - 設立年月日: 1983年6月
- - 所在地: 滋賀県大津市一里山5-13-13
- - 代表者: 代表取締役社長 阪根 利子
- - 業務内容: ポリイミド樹脂を中心に高機能高分子材料の開発及び製造
詳細や製品情報は、公式サイトをご覧ください:
株式会社アイ.エス.テイ
まとめ
TORMEDの量産化決定は、宇宙産業への重要な一歩であり、今後も様々な分野での活用が期待されています。高機能材料を通じて、より良い未来を切り拓くため、株式会社アイ.エス.テイは今日も技術革新に挑戦し続けます。