フィリピンの路上教育が未来を変えるエイキャンの挑戦
世界の子どもたちに希望を
11月20日は「世界こどもの日」です。この日は国連が定めた、子どもたちの権利と福祉の向上を目的とした特別な日です。この日に合わせてフィリピンで活動するNGO「アイキャン」が、路上で生活する子どもたちの未来を変えるための募金活動を開始します。アイキャンは、フィリピンにおいて約30年間、数多くの路上の子どもたちと向き合ってきました。
路上生活の現実
フィリピンには、約37万人もの路上生活を余儀なくされている子どもたちが存在します。彼らは日々、暴力や危険に晒されながら「今日は何を食べられるのか」「どこで寝るのか」といった生き残りのためのことしか考えられません。「自分は路上で生きるしかない」と心の中で思い込んでいます。このような環境で育つ子供たちは、自分に自信を持つことが難しく、明るい未来を描くこともできません。
取り組みの目的
アイキャンは、このような現状を打破するため、2008年から「路上教育」を開始しました。このプログラムの目標は二つあります。一つ目は「命を守ること」です。子どもたちの栄養状態や環境を把握し、命の危険から守るサポートを行います。二つ目は「未来をつくること」であり、信頼関係を築きながら子どもたちに学ぶ喜びを提供し、「自分も変われるかもしれない」という気持ちを育んでいくことです。
パン作りを通じて変わる未来
路上教育を通じて自分自身や他者への信頼を取り戻す中から、「手に職をつけたい」「他の子を助けたい」という声が寄せられ、2010年からパン作りの技術訓練が始まりました。この取り組みから生まれたグループ「カリエ」が、今やビジネスを運営しています。カリエのメンバーは、自らが路上生活で感じた苦しみや教育の重要性を体感したその経験を生かし、後進の育成にも取り組んでいます。
変わる意識
「僕は毎日路上で物乞いをしながら、学校に通う子どもたちを横目で見ているだけだった。しかし今日の話を聞いて、『こんな僕でも変われる』と思えて嬉しい」とある参加者は言いました。カリエの活動は、多くの子どもたちに影響を与え、彼らが「自分も変わりたい」と思うきっかけを提供しています。
さらなる活動への願い
現在、カリエのメンバーと一緒に路上教育を行う活動は拡大しています。路上の子どもたちに「路上以外の生き方」を示そうと、各地域にカリエのような存在を増やすことを目指しています。この活動は、予算の厳しい中でも継続されています。路上の子どもたちの命を守り、その未来を切り開くための路上教育が必要なのです。
アイキャンでは、路上教育を実施するためのスタッフを育成しています。少人数から始めるこの取り組みは徐々に拡大し、一人の教育者が多くの子どもたちを救うことができるのです。現在6名の実施者が、60名以上の育成を目指しています。この取り組みによって多くの命を繋ぎ、未来を変えることができるように、皆さんの応援をお願い致します。
今後の活動とご寄付について
アイキャンの冬募金は、2024年11月20日から2025年1月30日まで実施されます。目標金額は250万円です。寄付方法は、クレジットカードや銀行振込などが用意されています。寄付金の領収書を利用すれば、確定申告で税制上の優遇措置を受けることも可能です。
世界のこどもたちに、希望を届けるために私たちアイキャンの活動への参加をお待ちしております。詳細とお問合せは以下のリンクをご覧ください。