TSMC進出がもたらした熊本県の家賃上昇トレンドを探る
台湾の半導体大手、TSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)の熊本県菊陽町への工場進出が発表されたのは2021年10月のことでした。この発表以降、周辺エリアである大津町や合志市の地価が急速に上昇しました。本記事では、TSMC進出前後での賃貸住宅市場の変化について詳しく見ていきます。
家賃の急上昇
アットホーム株式会社によると、TSMCの工場周辺エリアにおける賃貸マンションやアパートの家賃は、2021年1~3月期に比べて2024年1~3月期には明らかな上昇が見られました。
特に、大津町のシングル向けマンションは、なんと約36.7%も上昇しています。他の地域と比較しても、菊陽町や大津町の家賃は熊本市を上回る高水準に達しています。また、アパートの家賃上昇率も同様で、工場近辺ではすべてのエリアで熊本市の家賃を上回りました。
シングル向き賃貸が人気
興味深いのは、シングル向け物件の家賃上昇率がファミリー向き物件を上回った点です。これは、TSMCの工場や関連企業に勤務する単身者のニーズが高まっており、工事関係者なども含めた人々が新たに住宅を求めているためです。
工場の新設計画が進む中、TSMCは第2工場の建設も発表しました。そのため、今後も工場周辺エリアでの新築マンションやアパートの供給が続く見込みですが、不動産店からは供給過多による空室の増加を懸念する声も上がっています。
商業施設の活性化
また、工場の進出によって地域の商業施設も活況を呈しています。新たな商業施設のオープンが相次いでおり、2026年には九州最大のアーバンスポーツ施設もオープン予定です。これにより、工場の関係者以外にも魅力的な街として栄えていく可能性が高いでしょう。
地域の住環境が整備され、様々な施設ができることで、今後の住居需要はどう変化していくのか、引き続き注目していく必要があります。このトレンドは、熊本県に新たな街の魅力をもたらし、多くの人々を惹きつける要因となるでしょう。
まとめ
今後の熊本県は、TSMCの進出により賃貸住宅市場に大きな影響を受け続けることが予想されます。新たなビジネス環境が形成される一方で、供給過多による空室問題も懸念されています。居住環境の動向や商業発展に関しては、今後も耳を傾けていく必要があります。