次世代の映像処理技術「Media Engine v3.0」で業界を一新
アリドレムネクスト株式会社は、2025年11月19日から21日まで幕張メッセで開催されるInter BEE 2025(国際放送機器展)において、ドイツの映像技術企業nablet社が開発した最新のメディア処理エンジン「Media Engine v3.0」を紹介します。これにより、映像制作・配信の現場で多様なフォーマットのデータを扱う環境が大幅に改善されることが期待されています。
「Media Engine v3.0」の機能と特徴
「Media Engine v3.0」は、カメラ撮影データの編集からストリーミング配信、アーカイブまで、一つのエンジンで多くの作業をこなせる理想的なトランスコーダです。このエンジンの最大の特徴は、どんな映像ソースでもさまざまな出力形式に自在に変換できる点です。
多様なフォーマットに対応
このエンジンは、MXF、MOV、MP4、TSなど、プロの制作現場で使われる主要なファイル形式だけでなく、RTMP、RTSP、HLS、DASHといったライブストリーミング用のプロトコルにも対応しています。さらに、HEVCやVVC、JPEG XSなど次世代コーデックにも対応可能です。
高速処理とパフォーマンス改善
映像の変換処理には一般的に高い計算負荷がかかりますが、「Media Engine v3.0」は、処理の最適化により、従来の変換処理よりも30〜50%も高速化されています。このため、特に制作現場での時間短縮やコスト削減に貢献します。
クラウド対応とマルチプラットフォーム
クラウドやDocker環境にも対応しており、WindowsやLinuxオペレーティングシステム上で動作します。これにより、ユーザーはオンプレミスからクラウドまで多様な環境で映像処理基盤を選択できるようになります。
統合的なワークフロー機能
「Media Engine v3.0」は、REST APIを利用することにより、既存の編集システムとの連携や多様な処理機能を一元的に扱うことが可能です。これにより、作品のクオリティを損なうことなく、効率的な映像ワークフローを実現します。
映像業界における意義
放送や映像制作の分野では、フォーマットの断絶や変換時の品質低下が常に課題とされています。「Media Engine v3.0」は、これらの工程を一本化することで、システムの統合性が向上し、導入コストおよび運用負荷を大幅に削減できる可能性を秘めています。また、次世代コーデックや将来の放送規格への対応力を持つため、長期的に利用可能な技術基盤として価値があります。
企業の背景
ドイツのnablet社は、2011年に設立された映像技術の専門企業で、映像ワークフロー全体に対応した製品を提供しています。自社開発のコーデックとメディア変換技術を駆使し、映像制作や配信のプロフェッショナルな現場での使用に実績があります。アリドレムネクストは、この最新技術を日本市場に展開し、業界に革新をもたらすことを目指しています。
おわりに
「Media Engine v3.0」は、映像業界の未来を開く重要な技術です。アリドレムネクストは、この技術を通じて、放送局や制作会社、配信事業者に向けて高品質で効率的な映像処理ソリューションを提供し、業界の発展に寄与していくことでしょう。