内田あぐり展「安里/積層」開催のお知らせ
2025年3月19日(水)から4月7日(月)まで、日本橋高島屋S.C.本館6階の美術画廊Xにおいて、内田あぐりの個展「内田あぐり展—安里/積層」が開催されます。この展覧会では、内田氏が人間の存在や自然との関わりを深く掘り下げる作品が展示されます。
作家の背景と作品の特徴
内田あぐりは日本画の伝統技法を駆使し、膠や和紙などの素材を用いて独自の世界観を表現してきました。彼の作風は、身体的なストロークを通じて、普遍的なテーマである人間の存在を描き出します。作品には、“存在を確かめるかのような傷”と、その痕跡を塞ぐためのコラージュや縫い合わせが見られます。これらの手法によって、内田は破壊と再生のサイクルを視覚化し、観覧者に深いメッセージを伝えています。
近年、内田は河川や風景を題材にした作品も手がけるようになり、より広い自然観から人間を俯瞰する視点を追加しています。この変化は彼の作品に新たな次元をもたらし、生命の循環というテーマを探求することに繋がっています。
展示作品のハイライト
本展の目玉作品は、沖縄県那覇市を流れる川にインスパイアされた幅約10メートルの大作『安里-ASATO』です。この作品は、時間や空間の交錯、異なる文化や感情の層を重ねることで、歴史を語る目撃者となる川の姿を描いています。展示される作品には、他にも内田の創意工夫が凝縮された中・小品やドローイングが含まれ、特に柘榴の作品は彼自身のアイデンティティとリンクする重要なモチーフとなっています。
ギャラリートーク
展覧会期間中の3月22日(土)には、美術評論家で武蔵野美術大学名誉教授の高島直之氏と内田あぐりによるギャラリートークが行われる予定です。この貴重な機会を通じて、作品についての深い考察や内田氏の思考過程を聞くことができます。
作家の経歴
内田は1949年に東京都港区で生まれ、1975年に武蔵野美術大学大学院で日本画を学びました。彼は文化庁芸術家在外研修員としてフランスに滞在し、多くの受賞歴を持っています。現在は武蔵野美術大学の名誉教授として、後進の育成に尽力しています。
お問い合わせ
日本橋高島屋へのお問い合わせは、電話番号03-3211-4111(代表)までお気軽にどうぞ。ぜひ皆さんも内田あぐりの新たな作品群を体感し、この機会をお見逃しなく。