AQ Group純木造8階建て本社ビル、「ウッドデザイン賞2024」を受賞
埼玉県さいたま市に本社を置くAQ Groupの純木造8階建て本社ビルが、一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催の「ウッドデザイン賞2024」を受賞しました。2016年の審査員特別賞受賞以来、6度目となる快挙です。
今回の受賞は、同社の「コンクールジャングルを森に変える」というスローガンを体現する象徴的な出来事と言えるでしょう。同社はこれまで、木造建築の可能性を追求し、数々の挑戦を続けてきました。
受賞のポイント:普及型と木造建築の可能性へのチャレンジ
今回の本社ビルは、都市部でも建築可能、経済性に優れ、地域の中小企業でも施工可能な「普及型」である点が評価されました。木の温もりを感じさせるデザイン性と、耐震性・耐火性の両立も高く評価された理由の一つです。
審査委員長である赤池学氏からは、近年増加している質の高い応募作品の中でも特に高いレベルの作品として称賛されました。特に、中大規模建築における木造・木質化の取り組みは、街づくりとウッドデザインの接点を示すものとして注目されています。
AQ Group本社ビルの特徴:日本初の挑戦
この本社ビルは、日本初の純木造8階建てビルとして、いくつかの画期的な特徴を備えています。
純木造8階建ての耐震工法(免震装置不使用):従来の木造建築の限界を超える技術力と設計力が結集されています。
構造体を木のあらわしで使用:木の素材感を最大限に活かした、温かみのある空間を実現しています。
工期最短:6,000㎡超えの純木造建築としては驚異的な17ヶ月での竣工となりました。
価格最小:これまでの木造ビル建設費の約半分(坪145万円)という圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。
これらの成果は、AQ Groupが長年培ってきた住宅事業で得られた材料・生産・施工システムのノウハウと、独自の技術力・設計力を融合させた結果です。これにより、中小ゼネコンや地域工務店でも、高コストパフォーマンスで純木造中大規模建築が可能となりました。
純木造中大規模建築の課題克服
従来、純木造中大規模建築は、耐震性、耐火性、コスト、施工体制といった多くの課題がありました。しかし、AQ Group本社ビルはこれらの課題を克服し、純木造中大規模建築の普及に向けた大きな一歩を踏み出しました。
まとめ:未来へ向けた木造建築の新たな可能性
AQ Group本社ビルは、単なるオフィスビルではなく、「純木造、中大規模建築物の普及型プロトタイプ」としての役割も担っています。この受賞は、木造建築の可能性を大きく広げる、未来へ向けた大きな一歩と言えるでしょう。今後、同社の更なる挑戦に期待が高まります。