統合失調症治療の新薬
2024-08-28 20:53:41

NBI-1117568の良好な結果、統合失調症治療に新たな希望をもたらす

NBI-1117568、統合失調症治療に期待される新薬



ネクセラファーマ株式会社(旧そーせいグループ株式会社)は、提携先であるニューロクライン社が開発中の統合失調症治療薬候補NBI-1117568が、第Ⅱ相臨床試験で良好な成果を収めたことを発表しました。この薬は、初めて経口投与が可能なムスカリンM4受容体選択的オルソステリック作動薬として、統合失調症治療の新たな選択肢となる可能性があります。

臨床試験の成果



NBI-1117568の臨床試験は成人の統合失調症患者を対象とし、20mgを1日1回投与する群で主要評価項目を達成しました。6週目の時点で、統合失調症の症状を評価するための尺度(PANSS)で、プラセボ群に比べて平均7.5ポイントの改善が見られました。これは統計的にも有意であり(p=0.011、効果量0.61)、臨床的にも重要な成果といえます。

さらに、追加評価項目でも統計的に有意な改善があり、患者にとって非常に有望な治療薬であることが示されています。これにより、NBI-1117568は、1日1回の服用が可能なため、患者にとっての利便性も大きなポイントとなります。

提携の背景と展望



ネクセラファーマとニューロクライン社は、2021年から神経疾患の治療薬開発を目的として提携を結んでおり、これまでにも様々な神経疾患の治療薬候補を開発してきました。NBI-1117568は、特にこのポートフォリオの中でも最も先進的なもので、将来的な市場への投入が期待されています。

営業的には、契約条件に基づき、ネクセラファーマは最大26億米ドルの開発資金やロイヤリティを受け取る権利も保持しています。これはNBI-1117568の開発が進むにつれ、非常に大きな財務的利益をもたらす可能性があります。

安全性と忍容性



第Ⅱ相臨床試験の結果において、NBI-1117568の安全性と忍容性は概ね良好でした。有害事象による投与中止率は、NBI-1117568群とプラセボ群で同等であり、特に懸念される副作用は見られませんでした。傾眠やめまい、頭痛などの軽度な副作用が見られたものの、全体的には悪影響が少なく、継続した投与が可能とされています。

特に心血管関連や消化器系の有害事象も発生頻度が低いため、患者への安全性が確保されていると考えられます。また体重増加との関連性も観察されなかったことから、医療現場での使用においても安心感をもたらします。

今後の予定



ニューロクライン社は、2025年前半にNBI-1117568の第Ⅲ相臨床試験を開始する予定です。この試験は、さらなるデータ収集や治療効果の確認を通じて、NBI-1117568を実用化するための重要なステップとなります。

NBI-1117568は、既存の治療法では十分な効果が得られなかった統合失調症患者にとって、治療の選択肢が広がる新たな薬となると期待されています。今後の進捗に注目が集まっています。


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会社情報

会社名
ネクセラファーマ株式会社
住所
東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト7F
電話番号
03-5962-5718

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