スマート農業の新たな船出
グローバル電子株式会社は、石川県金沢市において、スマート農業の展開を目指す新たな取り組みを始めています。同社の子会社であるグローバルマイクロニクスは、金沢工場の増設計画を立て、農業法人グローバルファームズを設立しました。この動きは、最新のIoT技術を駆使して農業の生産性を向上させる狙いがあります。
地域農業への貢献
グローバル電子は、まず石川県かほく市高松町にある37アールの農地を活用し、2025年から高級ブドウやスイカ、サツマイモなどの生産を開始する予定です。この農地に隣接している35アールの実験農場では、さまざまなスマート農業用IoT機器が開発されています。
具体的には、ハウス自動環境制御装置や地中水分濃度測定装置、自動潅水システムなどの機器がスタンバイしています。これらの技術を利用し、スマート農業の実現を目指す同社は、今後5年以内に栽培面積を5ヘクタールに拡大し、さらには若年農業従事者の雇用を促進する計画です。最終的には、年間1億円の農産物を出荷することを目指しています。
海外市場への進出
グローバル電子は、スマート農業用のIoT機器を自社工場で製造し、3年後には日本、米国、インドなどに向けて合計10億円の販売を目指しています。このためには、金沢工場に床面積1,342㎡の第二工場を建設することが決まっており、2025年には竣工予定です。
IoT技術の実力
さて、グローバル電子が開発中の地中水分濃度測定装置は、米国のFarmX社との共同開発によるもので、砂丘地などの特殊な土壌でも高い精度の測定が可能です。これは、ブドウやスイカなどの作物に最適な潅水を自動で行うための重要なツールです。また、ハウス自動環境制御装置は、農家が夏季に直面するハウスの開閉作業の負担を軽減します。
これらのIoT機器を取り入れることで、農作業の労力を30%削減し、収穫量を30%向上させることを見込んでいます。グローバル電子は、実証実験を通じて地域農業の発展に寄与することを目指しており、農業のスマート化がもたらす未来に期待を寄せています。
会社概要
グローバル電子株式会社は、1978年に設立され、現在は東京都新宿区に本社を構えています。電子部品の製造・販売を主な業務として、海外から技術を導入し、さまざまな分野に対応しています。また、アナログ技術やセンサー応用技術に強みを持ち、農業用機器の開発にも力を入れています。
本社所在地:東京都新宿区箪笥町35 日米TIME24ビル
設立:1978年7月
資本金:8,300万円
従業員数:320名(連結)
主な事業内容:電子部品の輸出入、製造、および販売など。
今後のグローバル電子の成長に目が離せません。地域農業への挑戦が、どのように実を結ぶのか、引き続き注目していきたいと思います。