福島・葛尾村が生み出す新たなアートのかたち
2025年10月2日から5日の間、宮城県仙台市にあるせんだいメディアテークにて、展示企画「AFTER THE NEW ORDER」が行われます。この展覧会は、福島県双葉郡に位置する葛尾村で育まれたアート作品を集めており、入場は無料です。企画の中心となるのは、一般社団法人葛力創造舎のアートプロジェクトチーム「Katsurao Collective」。彼らは、地域の魅力を再発見し、アーティストの創造力を通じてコミュニティの活性化に貢献しています。
アーティストたちの挑戦
「Katsurao AIR」と名付けられたアーティスト滞在プログラムでは、選ばれたアーティストたちが葛尾村で一定期間過ごし、そこからインスピレーションを受けた作品を創り上げました。このプログラムを通じて、彼らは震災や原発事故後の葛尾村が抱える複雑な現状に向き合い、全国の観客にその思いを伝えることが目的です。
展覧会には、赤坂有芽や阿部浩之、斎藤英理など多彩な背景を持つアーティストが参加し、それぞれの視点から表現された作品が展示されます。彼らの作品を通じて、鑑賞者は葛尾村の過去と現在、さらには未来に思いを馳せることができるでしょう。
展示作品の詳細
展覧会の中で特に注目すべき作品には、以下のようなものがあります:
- - 赤坂有芽《土着[Vernacular]のための習作》(映像、4分50秒)
東京藝術大学で学んだ赤坂は、村民と触れ合いながら村の歴史や文化を深く掘り下げ、その視点を映像作品として表現しました。
- - 阿部浩之《window, our wind》(映像、18分20秒)
地域に残る物と、その背後にある人々の物語を再構築することをテーマにした作品です。
- - 斎藤英理《新しい木を探す》(映像、17分10秒)
風力発電による風景の変化を自身の記憶と重ね、不安を映し出すエッセイフィルムです。
- - 永井文仁《ひかりをすくう -Drawing the Light of Katsurao-》(写真)
トラックの荷台に改造したカメラを使用し、村が持つ光を捉え、その違和感を写真作品で表現しました。
- - 橋本次郎《Katsurao Song / 村のうた》(映像、7分16秒)
地域の自然音や文化を交えて構成した音楽作品です。
- - 山口諒《かさなること / かご馬についてのリサーチ》(映像、8分20秒)
地元行事「かご馬」に着目し、伝統を体感する作品です。
参加方法と今後のスケジュール
展覧会は、毎日9:30から20:30まで開場、最終日は18:00までです。入場は無料となっていますので、ぜひ足を運んでいただき、多様なアートに触れてみてください。また、同プロジェクトでは、展覧会に続いて村内でのイベントやワークショップも予定されています。この機会に地域のアートと文化に触れ、新たな発見を楽しみましょう。
お問い合わせ
企画に関する詳細は、Katsurao Collectiveの公式ウェブサイトやSNSに掲載されています。アートを通じた地域振興について、ぜひご覧ください。