樋口製作所の新たな挑戦: スマートグラスで進化する製造現場
岐阜県各務原市に本社を置く株式会社樋口製作所では、スマートグラスと独自に開発したアプリを活用した現場実証を始めました。この取り組みは、遠隔支援や作業情報の迅速な確認を行い、生産現場の効率性と安全性の向上を目指しています。
スマートグラスの導入の背景
プレス工場では、金型や設備のメンテナンスの際に、他の拠点にいる担当者に確認や判断を仰ぐ必要があるに対して、現場作業者がスマートフォンを片手に映像を配信して指示を受ける方法が主流でした。この方法では、片手がふさがってしまい、安全性や効率性に課題がありました。そこで、スマートグラスを導入することで、作業者は手を自由にしながら情報を受け取ることができるようになりました。
自社で開発したアプリの活用
樋口製作所では、実証に使用するアプリをすべて自社内で開発。現場の社員が関与することで、業務の流れに合わせたシステムを構築しました。具体的には、現場エンジニアとITエンジニアが協力して課題を解決するため、実効性の高いシステムが整備されています。
実証の内容
1. 工場間のリアルタイム映像配信
工場間での映像配信により、作業者の目線で状況を確認できます。この仕組みにより、離れた工場にいる担当者が指示を出すことが可能になり、現地に移動する必要がなくなります。
2. QRコードによる情報表示
設備や金型に貼付されたQRコードを読み取ると、必要な生産指示やメンテナンス情報がスマートグラスに表示されます。この機能により、作業者は書類や別の端末を手にすることなく、目の前の情報を即座に確認できます。
3. フォークリフト操縦者の視点共有
フォークリフトの操縦者はスマートグラスを装着し、その視点映像を第三者が確認できる仕組みを導入しました。この結果、安全面での課題や死角が明らかになり、今後の安全教育や作業ルールの向上に活かされる見込みです。
効果と今後の展望
最大の効果として、作業者が両手を自由に使えるようになったことが挙げられます。これにより、工具を使いながら指示を受けられる環境が整いました。製造部専任部長の脇田氏は、このシステムを通じて、安全面での多くの気づきがあったと語っています。
課題と改善依頼
しかし、視力矯正用のメガネを使用する作業者にはスマートグラスが装着しにくいという課題があります。今後は誰もが使いやすいデバイスを検討し、全員にとって使いやすい環境を模索していく予定です。
AIを活用した作業支援の未来
また、現在のQRコード機能による情報表示は初期段階にあり、今後はAIを活用して過去の生産データを分析し、作業者に対し必要なアドバイスを提供するシステムの実現に向けた検討も進めています。これにより、新人作業者がベテランの知見を参考にしながら作業を行える環境を整えることが期待されています。
会社概要
樋口製作所は1937年に設立され、精密金属プレス加工を主業務としています。アメリカ、メキシコ、中国にも拠点を展開しており、経済産業省のDXセレクションにも選定されています。詳細は
公式ウェブサイトをご覧ください。