新たな連携協定で母乳バンクの普及を推進する取り組み
2023年7月28日、神奈川県のピジョン株式会社、日本母乳バンク協会、日本財団母乳バンクの3団体は、ドナーミルクの利用を広めるための連携協定を結びました。この協定により、ドナーミルクが必要な小さな赤ちゃんをサポートすることを目的とし、母乳バンクの重要性を広める取り組みが始まります。
背景:母乳バンクの役割
母乳バンクは、特に1500g未満の赤ちゃんの健康を守るための重要な施設です。母乳は赤ちゃんにとって、さまざまな病気リスクを減少させる「薬」のような存在で、ドナーミルクは寄付された母乳を安全に加工したものです。全国では約5000人の赤ちゃんがドナーミルクを必要としており、2025年度には1400人に届けられていますが、まだ普及の道は長いと言えます。
協定の目的
この連携協定は、以下の3つの主要な取り組みを掲げています。
1.
普及啓発: 母乳バンクとドナーミルクの存在を広く周知し、理解を深める。
2.
環境づくり: ドナーミルクを利用しやすい環境を整備していく。
3.
寄付の拡大: ドナーミルク寄付者を増やすための活動を行う。
これらの取り組みを通じて、さらなる不妊の理解と支援の輪を広げることが必要です。
取り組みの歴史
日本母乳バンク協会は、新生児医療の中で母乳の利用を推進する目的で設立された組織です。一方、日本財団母乳バンクは、特に極低出生体重児に対してドナーミルクの安定供給を目指しています。ピジョン株式会社は「ちいさな産声サポートプロジェクト」として、赤ちゃんとその家族を支援する活動を続けており、2020年から母乳バンク協会のゴールドスポンサーとして活動しています。
神奈川県の支援
神奈川県も積極的に赤ちゃん支援を実施しており、医療機関への補助や地域交流会の開催などを行っています。特に、令和8年度からは医療機関へのドナーミルク利用のための財政支援を始める予定で、その活動を通じて理解を深めることが期待されています。
具体的な支援内容
今後、ピジョンと神奈川県、日本母乳バンク協会は連携し、特にドナー登録を促進するための取り組みを進める計画です。ドナー登録を行った方には、記念品として新生児向けのしっとりローションや母乳育児をサポートするスキンオイルがプレゼントされます。これを通じて、母乳バンクの知識を広め、利用者を増やすことが目指されています。
関係者の声
代表理事の水野克己氏は「母乳は命を守る医療であり、必要としている赤ちゃんに届かない現状を改善する必要がある」と指摘しました。また神奈川県知事の黒岩祐治氏は「この取り組みを通じてドナーミルクへの理解が広がることを期待しています」とコメントしています。ピジョン社長の矢野亮氏は「協定締結は社会全体での認知とドナー登録拡充の第一歩であり、赤ちゃんにやさしい未来の実現に貢献する」と強調しました。
まとめ
この連携協定は、赤ちゃんの命を守り、育むために必要な取り組みであり、母乳バンクの普及に向けた新たな一歩となるでしょう。すべての赤ちゃんが、安心して必要な栄養を受け取れる社会を実現していくために、今後の活動に期待が寄せられます。