奈良の「種木屋」で学ぶ、盆栽の魅力と愉しみ方
日本で唯一の「種木屋」として、奈良県橿原市で活動する塩津植物研究所。この研究所は、草木が盆栽になる前の段階である「種木」を中心に、およそ200品目・300種以上の様々な植物を紹介しています。著者である塩津丈洋さんと久実子さんの夫妻は、種木から盆栽への仕上げまでを一貫して行い、訪れる人々により良い植物との生活を提供しています。
初心者でも理解しやすいように、ポピュラーな植物から詳しく解説がなされている本書。私たちが普段目にすることの多いサクラ、ケヤキ、イチョウ、マツなど、馴染み深い植物が中心に取り上げられています。また、盆栽に必要な道具、例えば如雨露や剪定鋏、選りすぐりの鉢、そして美しい仕上げを助ける地板や山苔なども網羅しています。
この本を通じて、特に装飾的なイメージが強い盆栽に対して、カジュアルで現代的なアプローチを提案しています。人々が身近にある草木や器を楽しみ、盆栽を取り入れた暮らしを豊かに感じられることを目的としています。また、本書は雑誌『フローリスト』の人気連載「草木育種」を基に加筆されており、マニアから初心者まで楽しめる内容に仕上がっています。
著者の背景と研究所の役割
塩津植物研究所は、2010年に設立され、長年にわたり草木の生産や培養、治療に力を入れてきました。目指すところは「草木の駆け込み寺」として、人々が植物と共により良い生活を送るための知識や技術を提供することです。名古屋芸術大学で教鞭を執る塩津夫妻は、著書『身近に植物のある暮らし』を通じても、その理念を広げています。
書籍の詳細
今後発売予定の本書「盆栽ごよみ365日」は、384ページにわたり、さまざまな植物や盆栽技術、アイテムに着目し、盆栽を愛でる楽しさを伝えます。定価は2,420円(税込)で、2025年6月11日(水)に発売予定です。ISBNは978-4-416-62371-8となっています。
盆栽への新しいアプローチ
本書の魅力は、単に知識を学ぶだけでなく、植物を通して生活を彩ることを重視している点です。盆栽は一般的に堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、塩津植物研究所はそれをモダンでカジュアルに楽しむ道を示しています。身近にある植物や盆栽関連のアイテムを取り入れることで、より多くの人々がこの魅力的な趣味に足を踏み入れるきっかけとなるでしょう。
まとめ
奈良県橿原市に位置する塩津植物研究所の活動は、盆栽の世界に新たな風を吹き込んでいます。彼らの著作を通じて、植物との共生や生活の質を向上させる提案を受け取ることで、多くの人々が新たな視点で植物を愛する機会を得られることでしょう。これからの盆栽の楽しみ方が広がる中で、ぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。