地域伝統を学び、体験する文化祭
2023年7月16日、追手門学院中・高等学校で開催される文化祭「栞澪祭(かんれいさい)」では、中高生が地域の伝統文化を体験するためにお神輿を担ぎます。このイベントは、大阪府茨木市に位置する庄春日神社からお借りした本格的な神輿を用いて行われます。地域住民の協力を得て、実際の祭礼さながらの巡行が行われる予定です。
地域活性化への取り組み
この神輿担ぎは、昨年度からスタートした「庄春日神社秋祭り活性化プロジェクト」の一環として位置づけられています。このプロジェクトでは中高生が地域のハブとなり、伝統行事を通じた地域の活性化を目指しています。生徒たちが日本の伝統文化に直接触れることで、学びやその後の地域課題に取り組む意欲を高めることを目指しています。
毎年10月に行われる庄春日神社の秋祭りでは、お神輿を担ぎながら総持寺の街を巡行する風景が広がります。しかし、コロナ禍の影響により、参加者や担ぎ手が激減し、祭りの存続が危ぶまれていました。そこで、同神社や地域の福祉法人、自治会、本校が協力し、地域交流の促進を図る新たなプロジェクトが立ち上げられました。
昨年の成功体験
昨年度秋祭りでは、生徒が企画した「宝探しイベント」が開催され、多くの地域の子どもたちとその保護者が参加しました。100名を超える幼児や児童が集まり、地域の交流を一層深めることができました。この成功体験を受けて、今年の文化祭での神輿担ぎに向けた準備が進められています。
文化祭の実施内容
今年の文化祭では、庄春日辰栄会の代表者の指導のもと、有志の生徒たちが神輿を担ぎ、学校の校内を巡行します。巡行ルートは、エントランスから校舎沿いを通り、グラウンドへと向かいます。グラウンドでは1〜2周する予定となっています。
このプロジェクトは、少子高齢化や地域の人手不足といった社会的課題に対処しつつ、本校の探究学習の推進と重ね合わせています。生徒主体で課題解決に取り組む機会を提供することができるという点で重要です。
さらに、この文化祭に限らず、10月に開催予定の庄春日神社の秋祭りにも、本校はブースを出展し、地域との交流を深める計画があります。地域と学校が互いに助け合い、一緒に成長していく「双方向の関係づくり」を目指します。
最後に
このような地域伝統に根ざした取り組みを通じて、次世代の若者たちが文化に触れ、学び、地域への愛着を深める機会が生まれます。中高生が中心となって地域の伝統文化を受け継ぎ、さらには活性化する姿は、今後の地域社会の未来を明るく照らすことでしょう。