人的資本情報の開示状況に関する調査結果
株式会社オデッセイが実施した「人的資本情報の可視化・開示の取り組み状況に関する調査」では、上場企業と非上場企業の間に明確な格差が浮かび上がりました。特に、この調査は今年で3回目となるものであり、対象は500名に及ぶ経営者や人事担当者です。以下に、この調査の結果を詳細に解説します。
上場企業と非上場企業の開示状況
調査によると、上場企業の約68.3%が人的資本情報を「積極的に開示している」と回答しています。一方で非上場企業では67.5%が「管理のみ」もしくは「未管理・未開示」と回答し、開示の二極化が顕著です。この結果は、上場企業において人的資本情報の開示が社会的な責任である一方、非上場企業にはそのインセンティブが薄いことを示しています。
有価証券報告書の作成方法
有価証券報告書に人的資本情報を記載している385社を対象にした質問では、71.9%が作成方法として何らかの形で手作業に依存していることが明らかになりました。特に、「手作業で集計」している企業が24.4%、および「一部はシステム出力だが最終的に手作業」の企業が47.5%でした。このことから、システム化が進んでいない企業が多く、業務負担が軽減されていない実態が見て取れます。
経営への影響を検証したいという企業の意向
上場企業の84.9%が人的資本の経営効果を「検証したい」と回答しています。しかし、効果を確認できている企業は38.5%で、まだ多くの企業が課題を抱えています。特に、経営への影響を把握するためには、複数のデータを一元的に管理する必要があります。データが分散していることで、経営判断に結びつかない可能性が高くなります。
ISO 30414:2025に対する関心
2025年に改訂された国際規格「ISO 30414」への関心も高まっています。調査によれば、約6割の企業がこの新しい規格を参考にしているか、実際に管理・開示に反映させているとのことです。これに対し、改訂を知らなかった企業も存在するため、情報の浸透度にはバラツキがあるようです。
開示・活用のためのシステム機能
調査では、開示や活用を進める上での課題として「管理・開示項目の決定ができない」との回答が最多でした。これには3年間連続して首位の座を獲得しています。今後企業が欲している機能としては、「人事データの一元管理」、「財務・非財務指標の統合」、「提供可能なデータを自動的に出力するシステム」が挙げられています。
総括
今回の調査結果から、上場・非上場企業の情報開示において明確な格差が見られることがわかりました。また、開示の次のステップである経営効果の検証に向けた課題が共通であることも明らかになりました。今後、企業は人的資本情報の価値を向上させるために、国際規格を活用したデータの可視化を進めることが求められています。
株式会社オデッセイの提供する「Ulysses 人的資本ダッシュボード®」のようなソリューションは、こうした課題に対する解決策の一つとなるでしょう。人的資本情報の開示が義務から経営の意思決定に貢献する存在へと変わりつつある今、その重要性はますます高まっています。