ミャンマー大地震からの1年
2025年3月28日、ミャンマーで発生したM7.7の大地震からまもなく1年が経過します。この大災害は、国情不安と治安の悪化を引き起こし、現地の医療システムにも深刻な影響を及ぼしました。同時に、特定非営利活動法人ジャパンハートが行っている医療支援活動は、厳しい状況の中でも続けられています。
ジャパンハートの取り組み
ジャパンハートは2004年に設立され、以降ミャンマーのザガイン管区ワッチェ慈善病院で医療支援を展開してきました。これまで20年間、民主化の進展や新型コロナウイルスの影響、クーデターの再発など、さまざまな困難に直面しながらも、医療サービスを提供してきました。大地震の発生は、これまでの活動に新たな試練をもたらしました。
震源地に位置するワッチェ慈善病院は大きな被害を受け、病棟の一部が崩壊しました。その結果、運営が約2か月間中断を余儀なくされました。しかし、6月には入院受け入れを開始し、翌日には手術も実施。その後、各地域への巡回診療も再開しました。この活動により、2025年度の治療実績は、外来診療約9,500件、手術500件以上、総計約1万件に達しました。
医療アクセスの課題
大地震後の混乱に加え、年末の総選挙による情勢不安も影響し、患者の医療アクセスはさらに困難を極めました。特に、治安が悪化する中で「ジャパンハートの病院に行きたいが、行くことができない」という理由で医療を受けられない人が増加しました。そのため、ジャパンハートは医療拠点の分散化を計画し、無償の医療を届けるための体制を強化する必要に迫られています。
現地スタッフの努力
現地駐在20年の河野朋子さんは、ミャンマーの医療事業を統括する看護師として、日々現場で活動しています。「国全体が不安定な状況下で、まずスタッフの安全を確保し、医療にアクセスできない人々にどのように医療を届けるか考えています。医療を一度止めてしまうと、その後の治療につながりにくくなるため、活動の継続は非常に重要です」と河野さんは語っています。
日本とミャンマーの信頼関係
ミャンマーの人々は、日本に対して強い信頼を寄せていますが、反面日本側ではミャンマーへの関心が薄いと懸念されています。日本の人々がミャンマーの現状に目を向け、支援の必要性を理解してくれることが、現地の方々の大きな励みとなっています。より多くの方にミャンマーの現実を知ってもらいたいと、河野さんは訴えています。
まとめ
ミャンマーでは、依然として困難な状況が続いていますが、ジャパンハートはその活動を続け、地域における医療アクセスの向上に努めています。国際的な支援と医療提供が必要なこの状況に対し、日本全国からの関心と協力が求められています。