AssetHubが3億円を調達し新たなAIゲームと3D制作ツールを開発

3億円の資金調達でAIと3D制作の新境地へ

サンフランシスコを拠点に活動するスタートアップのAssetHubが、シードラウンドの1st closeにて約3億円（200万ドル）の資金を調達した。このラウンドには、Archetype VenturesやTechstarsのほか、多くの著名エンジェル投資家が参加している。特に、元Sony MobileのCTOである伊藤剛氏や、メルカリのCEOである山田進太郎氏など、豪華な顔ぶれが名を連ねている。

AssetHubとは？

AssetHubは、AIを駆使した3Dモデルの生成・編集ツールの開発を進めており、そのプラットフォームは多くの可能性を秘めている。従来の手動による制作工程を自動化し、誰もが短期間に高品質の3Dコンテンツを作成できる環境を提供することを目的としている。具体的には、AIネイティブなクリエイター集団によるBPOサービスや、AIエージェントを使った低コストなゲーム制作を提供している。これにより、従来はコストや時間が膨大であったゲーム開発の過程を圧縮し、多くの人々がクリエイターとして参加できる土壌を作り出そうとしている。

資金調達の理由：IP創出の時代を再び

日本は漫画やアニメなど、多様な文化的コンテンツを生み出してきた国であり、その力を活かしたIP創出にも世界的な優位性を持っている。しかし、現在のゲーム業界は開発費が劇的に上昇し、大企業中心の体制が進んでいるため、小規模な革新がしにくくなっている。AssetHubは、AI技術を駆使してこの状況を打破し、誰もが気軽にIPを生み出す時代を再現することを目指している。

日本から世界へ：ゲームとIPの融合

現在のグローバルなゲーム開発においては、ユーザー生成コンテンツ（UGC）のトレンドが広がっている。ほとんどのプラットフォームが、短期間で流行るゲーム体験を作ることに焦点を当てているが、長期的なIP育成には向いていない場合が多い。AssetHubは、日本特有の文化と技術的な強みを生かし、グローバル市場に向けた新たなIPをゲームを通じて提供することに意欲的である。

ゲームをIP創出メディアに

AssetHubは、ゲームを“漫画に代わるIP創出メディア”として位置づけ、インタラクティブ性と拡張性を備えたメディアとして再定義することを目指している。AIを使った制作工程の圧縮によって、IPの表現力と創作のスピードを両立させる仕組みを構築していくという。

投資家の声

Archetype Venturesの福井俊平氏は、AssetHubのチームが持つ“骨太な泥臭さ”に期待を寄せており、ゲーム開発の民主化を進める技術基盤を整えている点を挙げている。また、TechstarsのYuki Shirato氏は、AssetHubがグローバルなポテンシャルを秘めたAIネイティブなIPマーケットプレイスであることに着目し、今後の成長に期待を寄せている。