アットホーム、住宅の省エネ性能を明確化する新ラベルを導入
不動産情報サービスを提供するアットホーム株式会社(本社:東京都大田区)は、2024年11月に「省エネ部位ラベル」の運用を開始することを発表しました。この新しい認証ラベルは、既存住宅における省エネ性能を、設備や建具ごとに分かりやすく評価するものです。これにより、消費者が住宅を購入または賃貸する際に、より意識的に省エネ性能を考慮できるようになります。
省エネ部位ラベルとは?
省エネ部位ラベルは、既存住宅に省エネ性能を示すために用いるラベルで、特に省エネ改修が行われた部分を明示します。この制度は、2024年8月に改訂された「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドライン」にも基づいています。ラベルには、主に窓や給湯器などの基本的な項目に加え、外壁や玄関ドア、太陽光発電設備など14項目が含まれ、各部位の仕様や性能が一目でわかるようになっています。
表示の目的とそのメリット
この取り組みは、消費者が物件を選ぶ際に、どのように省エネ性能を評価できるかを分かりやすくすることを目的としています。例えば、断熱性能の高い窓や高効率の給湯器など、省エネ性能が高い要素を明示することで、消費者は自分のニーズに合った物件をスムーズに見つけられるようになります。今後は、ラベルの種類を選択できるような改良も考えられています。
省エネ性能表示制度の概要
2024年4月から開始された「建築物省エネ性能表示制度」は、販売・賃貸事業者が物件の省エネ性能を広告することを義務付けたものです。この制度により、消費者は物件を評価する際に省エネ性能を明確に把握し、比較することが可能になりました。
社会的背景と消費者のニーズ
日本国内においては、2050年までにカーボンニュートラルを実現しないといけないという強い意識があります。また、2030年には温室効果ガスの46%削減を目指しています。そこで、改正建築物省エネ法に基づき、2025年4月からはすべての新築住宅や非住宅に省エネ基準の適合が義務付けられます。アットホームが実施した調査によると、85.6%もの人が省エネ性能が重要だと感じており、特に「多少価格が高くても、省エネ住宅に住みたい」と答えた人も64.6%にのぼりました。
消費者が求める省エネ住宅の魅力
省エネ住宅の魅力について尋ねると、最も多く挙げられた理由が「月々の光熱費が安くなる」という点でした。次いで「冷暖房効率が良くて快適」が続き、やはり経済性と快適性が消費者の重視点となっています。現在住んでいる住宅に断熱性能の高い窓がある人は34.6%で、今後も省エネ性能の高い住宅へのニーズはますます増していくと考えられます。
結論
アットホームの新たな取り組みである省エネ部位ラベルの導入は、消費者にとって住宅選びの非常に大きな助けとなるでしょう。今後、住宅市場における省エネ性能に対する意識がさらに高まることが期待されます。環境への配慮だけでなく、家計へのダイレクトな影響も考えたとき、選択肢としての省エネ住宅はますます重要になっていくことでしょう。