野村不動産グループの2030年度CO₂削減目標の見直し
近年、気候変動問題がますます深刻化する中、企業に対する環境対策の要求が高まっています。その中で、野村不動産ホールディングス株式会社は、2030年度のCO₂排出量削減目標を見直し、新たに定めた目標が注目を集めています。特に、パリ協定の「1.5℃シナリオ」を上回る基準を設定したことが、業界内外で評価されています。
新たな削減目標の概要
2020年11月に設定された当初の目標は、2019年度対比でScope1およびScope2におけるCO₂排出量を35%削減することでした。しかし、新たに見直された目標では、これを60%に引き上げ、さらにScope3についても35%から50%への引き上げが決定されました。この変更は、気候変動に対応するための社会的要請に応えたものだと言えるでしょう。
重点課題としての「気候変動」
野村不動産グループは、気候変動に関する活動を「2030年までに取り組むべき5つの重点課題」の一つに位置づけています。具体的な取り組みとしては、建物の開発を通じた「省エネ」「低炭素化」「再エネ」の推進が挙げられています。
省エネ施策
2030年度に向けた新築物件は、省エネルギー性能達成基準が設定されており、分譲マンションの開発においてはすべての物件が「断熱性能等級6」を満たすことが求められています。蓄電池付きの分譲戸建ても開発され、役員報酬においても省エネ指標が評価に組み込まれるなど、企業全体で環境対策の浸透を図っています。
低炭素化の推進
建築資材には、低炭素素材や木材の活用が進められ、日本初となる木造ハイブリッドの高層分譲マンションや、木質サステナブルオフィスが開発されています。これにより、環境に配慮した建物作りが進められています。
再エネの導入
再生可能エネルギーの導入によるCO₂削減も重要な取り組みです。2022年には国際的イニシアチブ「RE100」に加盟し、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げています。また、すべての賃貸資産について2023年度までに再エネ由来の電力の使用率を100%にすることを目指し、東京都内のオフィスビルにも再生可能エネルギーの導入が進められています。具体的には、物流施設への太陽光発電パネルの設置を標準化するなど、様々な試みが行われています。
未来に向けた取り組み
今後も、野村不動産グループは「省エネ仕様」の建物開発や再生可能エネルギーへの転換を進め、サプライチェーンのパートナーと連携してCO₂削減施策を展開していく予定です。脱炭素社会の実現に向けた目標達成に向けた具体的な行動が、企業の持続可能な成長に寄与することが期待されています。
野村不動産グループの詳しいサステナビリティへの取り組みは、公式ウェブサイトにて確認できます。私たち全員がこのような企業の努力を見逃さず、共に未来に向かって進む必要があります。