電通総研、デジタルコミュニケーションと感情労働の調査結果を公表
2026年3月17日、株式会社電通総研(以下、電通総研)は、「電通総研コンパス vol.16 デジタルコミュニケーションと感情労働に関する意識調査」の結果を発表しました。この調査は、ヒューマノロジー創発本部に属するQuality of Societyセンターが主導し、デジタル環境における労働者の感情的な側面に焦点を当てています。
調査の背景と目的
デジタルコミュニケーションとは、メールやSNS、チャットツール、オンライン会議など、様々なデジタル手段を用いたコミュニケーションを指します。近年、これらのツールを介して、実際の気持ちとは異なる感情を表現することが増加しており、これを「感情労働」と呼びます。感情労働は、精神的な負担をもたらし、多くの職場での重要な課題となっています。本調査では、デジタルコミュニケーション含む職場環境における感情労働の現状と課題を把握し、その軽減へのヒントを探ります。
調査結果の概要
本調査では、3000人を対象に行われ、主要な結果がいくつか浮かび上がりました。
1.
感情労働の実態 72.4%の人々が職場で本音を抑え、装った感情で過ごしていることがデータから読み取れました。特に、社内デジタルコミュニケーションにおいても67.3%が装った感情で表現していることが明らかになりました。
2.
情緒的疲労と働きやすさ「情緒的疲労が減れば働きやすくなる」と考える人は68.3%にのぼります。これは、労働環境における感情的影響を示しており、情緒的疲労の軽減が重要視されている証拠です。
3.
改善希望の優先順位 働く人々が期待する改善点として、「収入増」が最も重視され、その後「情緒的疲労減」、最後に「残業時間減」といった順位が付けられました。このことは、単なる長時間労働の削減だけでなく、質的な改善も求められていることを示唆しています。
4.
デジタルツールの効果 63.2%の人々がデジタルツールの導入により心理的負担が軽減されたと感じており、新しいテクノロジー導入の際には生産性向上より、情緒的疲労の減少が期待されることが分かりました(61.6%)。
まとめ
感情労働はこれまで特定の職種の課題として語られてきましたが、この調査を通じてその影響が広範な職場に及んでいることが浮き彫りとなりました。そして、デジタルツールはその負担軽減に寄与する可能性があるため、今後の職場環境の改善には、もたらされる心理的影響に対する十分な認識が求められます。感情労働を軽減するための戦略が求められる時代に突入しています。