株式会社明治の研究者たちは、新たにプレーンヨーグルトの香りに関する興味深い研究成果を発表しました。この研究は、ヨーグルトの豊かな風味とその魅力を嗅覚を通して解明することを目的としています。具体的には、日本農芸化学会2025年度札幌大会において、開封時や咀嚼中における香気成分の時系列変化を追跡し、そのおいしさを科学的に評価する試みが展示されました。
研究の初めに、ヨーグルトの香気成分を特定するために、「におい嗅ぎ」(GC-O)分析が実施されました。これにより、ヨーグルトから揮発する特徴的な香り成分が特定され、その結果を元にプレーンヨーグルトの開封時にはアセトアルデヒドの青りんご様のさわやかな香りが立ち上がることが示されました。
また、SIFT-MS(Selected-ion flow-tube mass spectrometry)という技術を用いて、ヨーグルトのパッケージを開けた瞬間から香気成分の変化がリアルタイムで定量化されました。この技術により、香料の濃度変化を時系列で追跡することが可能になり、開封直後からどのように香りが変わっていくかを実証しました。
さらに、この研究では、独自に開発した実験装置を使用して、口の中の温度や舌の動きによる変化を模擬し、咀嚼中の香気成分の動きも研究されました。口に含んだ直後から咀嚼中までの2つの条件において、香り成分の測定が行われ、特にアセトアルデヒドをはじめとした成分の変化が詳細に分析されました。
研究の結果、開封時には香りのさわやかさが際立ち、咀嚼が進むにつれてアセトインのクリーミーな雰囲気や酪酸によるミルクの風味が感じられることが明らかになりました。この香りの変化は、TDS(Temporal Dominance of Sensation)という方法を用いた官能評価からも確認され、味覚と嗅覚の相互作用が深いことを示しています。
研究の実用化に向けて、株式会社明治は、ユーザーにより親しみやすく高めたヨーグルトの香りを通じて、製品の魅力を分かりやすく伝えることに努めています。特に、「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」は、その健康価値とおいしさから長年にわたり多くの人々に支持され続けています。
今後、この研究成果を活かして、日常の食卓により豊かなヨーグルトの香りをお届けできるよう、さらなる努力が続けられます。プレーンヨーグルトの新たな可能性について、私たちも期待を寄せています。