近接覚センサーを活用した食品業界の新たな革新がスタート

近年、食品業界が直面する課題を解決するため、株式会社Thinker（シンカー）の研究開発プランが注目を集めています。大阪に本社を置く同社は、内閣府が主導する「日本版SBIR制度」において、食品業界向けの革新的な技術が採択されたことを発表しました。このプランは、特に中食市場に特化した「近接覚センサー技術を用いた中食向け低コスト・高速ピッキングシステム」の開発を目指しています。

中食需要の高まりと人手不足の課題

現代社会では、特に単身者や高齢者世帯の増加により中食の利用が年々広がっています。これに伴い、惣菜やお弁当などを提供する業界は急速に成長しています。しかし、製造現場では人手不足が深刻化しており、現状では需要に応えきれない状況です。そのため、自動化の必要性が高まっていますが、従来のロボット導入コストが高いことや、食品の特性に適応できない点が障壁となっているのが現実です。

Thinkerのアプローチ

Thinkerが開発している近接覚センサーは、カメラを使わず赤外線とAIを組み合わせて、高速かつ高分解能で対象物の位置と形状を非接触で把握可能です。これにより、柔らかくデリケートな食品でもピッキングできるようになり、導入コストの大幅な削減も実現します。さらに本技術は、ロボットハンドの運用を効率化し、時間や労力を軽減できるため、多様な現場での活用が期待されています。