非暴力で変革を起こす新書が発売
清泉女子大学名誉教授の中見真理氏が新たに著した『武器としての非暴力日常からはじめる抵抗論』が、2023年9月10日にNHK出版より発売されました。この書籍は、ジーン・シャープの戦略的非暴力闘争論に基づき、特別に勇敢でも立派でもない「普通の人」が社会変革にどのように参加できるかを解説しています。
映画作家の想田和弘氏も本書を絶賛しており、「圧政や侵略に対する対抗手段として、武力や屈服ではなく、非暴力的な抵抗の方法が提示されている。目から鱗の入門書だ」とその魅力を語っています。
政治の不安定性と非暴力的抵抗
現代は、強権的なリーダーが歴然とした影響力を持つ時代です。そんな中、私たちはどのように抵抗できるのでしょうか。本書では、「普通の人」が道具を持たずしても、日常生活の中で非暴力的な行動を通じてどのように社会を変革できるかが切り口となります。この本は、普段の生活の中に潜む抑圧や服従から抜け出すための具体的な方法や実践的なヒントが豊富に詰まっています。
本書の構成とポイント
本書は、「100分de名著」にも取り上げられた内容に、さらに日本の平和運動や非暴力闘争の事例を加えた形で構成されています。これにより、読者はより身近に感じながらも深遠な内容に触れることができるでしょう。
- - 序章では、現在の民主主義の脆弱さを考察し、非暴力がいかにして社会変革を促進するのかを示します。
- - 第1章では、「普通の人」の持つ力について焦点を当て、ジーン・シャープの理論を通して暴力が「必要悪」とされることへの批判を行っています。ミャンマーの民主化運動という事例も挙げながら、実際の抵抗の在り方を提示しています。
- - 第2章は「武器としての非暴力」というテーマで、これまでの抵抗方法では解決しない課題を説明。独裁者を追放したセルビアの事例を参照しながら、非暴力的手法がどのように機能するかを明示します。
- - 第3章では戦略的非暴力を駆使した抵抗運動について探求し、リトアニアの独立回復運動など、多岐にわたる実践的な例を挙げています。
- - 第4章では、非暴力国家防衛という新たな発想を提示し、独裁者の再登場を防ぐための方法を考察します。
- - 最終章では、非暴力で世界に向き合うための展望と今後の課題を語り、読者に希望を与えます。
著者について
中見真理氏は1949年生まれで、清泉女子大学名誉教授です。国際関係思想が専門で、多くの著書や論文を発表しています。特にジーン・シャープの戦略的非暴力論に関する論文が評価されています。彼女の広範な知識と経験が、本書には色濃く反映されています。
書籍情報
本書の詳細は以下の通りです。
- - 書名: 武器としての非暴力日常からはじめる抵抗論
- - 著者: 中見真理
- - 発売日: 2023年9月10日
- - 定価: 1,023円(税込)
- - ページ数: 224ページ
最新情報は
こちらのNHK出版ページや
Amazonページから確認できます。非暴力による抵抗の重要性を理解し、新たな社会を築くための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。