西尾レントオール、AIスケートボーダー検知システムの導入へ
大阪に本社を構える西尾レントオール株式会社は、東京都中野区の株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)との協力を経て、2025年10月より本格的に「AIスケートボーダー検知システム」のレンタルサービスを開始します。この新しいシステムは、国際建設・測量展(CSPI-EXPO2025)で初めて披露される予定です。
開発の背景と課題
西尾レントオールは、2023年7月に新たに設立したR&D国際交流センターを地域社会の交流や憩いの場として運営しています。しかし、敷地内での無許可のスケートボード利用が増加し、施設の破損や近隣住民への騒音問題が発生。これを受けて、持続可能な解決策の必要性が高まりました。これに対処するため、DMPと共同での技術開発が進められました。
AI技術による課題解決
従来のAI技術では、大量の関連映像が必要ですが、生成AIの導入により、その学習コストを大幅に削減。その成果として、わずか3か月で実証実験が行われ、効果が確認されました。実際に当センターでの実証実験では、スケートボーダーが即座に退散するという抑止効果が見られ、5月11日以降の出没報告がゼロとなりました。この結果により、地域との共存と安全確保を両立させるモデルケースとして注目を集めております。
さらなる社会的背景
全国的にスケートボーダーの無許可滑走による通報が増加する中、地域に根ざした解決策が求められています。新潟市では年間1,222件、横浜市都筑区でも月間約50件の苦情が寄せられており、物理的・人的対策の限界も露呈しています。こうした状況に対処するため、AIによる常時監視と自動通報が必要とされています。
製品の特長
このシステムは、LLMとビジョンAIを掛け合わせた高精度の行動判定を実現し、混雑した場所でもスケートボーダーを容易に検出します。また、市販のIPカメラでの運用が可能で、特別な機材を必要とせず、初期投資を軽減します。さらに、スケートボーダー検知時の録画と音声警告にも対応しており、利用環境に適応しやすい設計になっています。
DMPとの連携
DMPは技術提供を行い、システムの開発や機能強化を担うことで、全国約400拠点の顧客基盤を活用し、公共施設や商業施設への導入を加速させていきます。このシステムは、迷惑行為を抑止し、警察への通報もスムーズに行える点が特徴です。
展示会での発表
新しい「AIスケートボーダー検知システム」は、国際建設・測量展でデモが行われ、関心を集めることが予想されています。2025年6月18日から21日まで、幕張メッセにて展示され、具体的な導入相談も受け付ける予定です。
まとめ
今後の展開として、レンタル開始は2025年10月予定で、自治体や公園管理者、商業施設などをターゲットとし、普及を目指していきます。西尾レントオールは引き続き、技術を磨きながら地域の課題解決に貢献していく意向を示しています。