新食用カプセル技術
2025-12-18 14:34:09

大阪工業大学が発見した食用パウダーを使った新しいガスマーブル技術とは

大阪工業大学が発表した食用パウダーを用いたガスマーブル技術



大阪工業大学(学長:井上晋)の応用化学科に所属する藤井秀司教授の研究グループが、食用パウダーを用いて“ガスマーブル”という新たな食材技術を開発しました。この技術は、ココアやナツメグ、カレーパウダーなど、身近な食材から食べられるカプセルを形成することができるというものです。ガスマーブルは、壊れにくい“シャボン玉”のような薄い膜で構成され、自らの風味や香りを封じ込めることができます。この技術の展開は、食品業界における新たな食体験を提供する可能性を秘めています。

食用パウダーの利用



今回の研究では、食用パウダーが持つ物理的特性が重要な役割を果たすことが明らかになりました。特に「ぬれ性」と呼ばれる特性が、ガスマーブルの形成と安定性に大きく関わっていることがわかりました。具体的には、粒子が水をどの程度弾くかによって、ガスマーブルの成功が左右されるのです。

つい昨年、シナモン粒子を使った「食べられるガスマーブル」が発表され、注目を集めましたが、今回はさらなる進化を遂げ、さまざまな食用パウダーでも安定したガスマーブルが形成できることが分かりました。藤井教授と大学院生の柳下拓斗さんが共同で実施した実験により、食材由来のこれらの粒子が新しいカプセル素材として活用できる可能性が明らかになったのです。

新たな食品への応用



このガスマーブル技術は、食品業界で多岐にわたって応用が期待されます。例えば、スイーツのトッピングとしての利用や、特別な香りや色を演出することが考えられます。また、食感や風味を保ちながら視覚的な美しさを提供することで、重要な価値を生み出します。食材由来の粒子で構成されるため、食品安全性が確保され、消費者に安心して楽しんでもらえるという特長もあります。

さらに、この技術は分子ガストロノミー(分子美食学)などの創作料理にも応用できる可能性があり、料理の表現を豊かにする新たな方法となるでしょう。また、ガスマーブルを用いた食品保存技術や、香料の徐放型カプセルとしての活用方法も研究されています。教育教材やアート表現の分野でも新しいアプローチが期待されるでしょう。

研究背景と論文発表



本研究は、日本学術振興会の科学研究費補助金基盤研究(B)の支援のもと、フランス国立農業・食料・環境研究所のAnne-Laure Fameau博士との共同研究によって成果が得られました。この成果に関する論文は、学術雑誌「Journal of Colloid and Interface Science」にて2025年12月11日に発表され、多くの注目を集めています。これからの研究の進展が楽しみです。実際に、このガスマーブルを使用した作品や料理を見ることができる日も、そう遠くないかもしれません。

興味のある方は、ぜひ以下のリンクから詳細な研究論文をチェックしてみてください。
研究論文はこちら
(DOI: 10.1016/j.jcis.2025.139675)


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