JAL元CAが教える、選ばれる人の秘訣とその実践法

JAL元CAが語る「選ばれる人の条件」とは

2024年1月2日、羽田空港でのJAL機と海上保安庁機の衝突事故は、乗客379人全員が無事避難した結果、「奇跡の18分間」として広く称賛されました。この事件では、乗員による冷静な対応が光り、その背後にはJALの優れた接遇教育と危機管理能力があることが再認識されています。JALの元キャビンアテンダントである香山万由理氏は、こうした接遇に関する知識を基に、著書『仕事ができる人は、「人」のどこを見ているのか』を出版しました。

「人あたりの良さ」は技術だ

香山氏は、ビジネスシーンで「選ばれる人」がどのような視点や行動を持っているのかを、具体的に示す重要なメッセージを伝えています。彼女の経験から得た洞察の中で特に印象的なのは、「人あたりの良さは、才能ではなく、技術である」という考え方です。

アイスコーヒー事件から学び取るもの

著書の中で語られるエピソードの一つ、著者が新人CAであった頃に起きた「アイスコーヒー事件」。サービス中に手が滑り、男性客に飲み物をこぼしてしまうという大失態を犯した香山氏。彼女は、ただ謝ることしかできずにいましたが、その男性は非常に寛容に接し、「日々の態度が大切」と語ります。具体的には、JALでの接客の心構えや気遣いを評価し、ミス自体を許すべきだという姿勢を示しました。このエピソードは、「人は、瞬間の失敗ではなく、日常の態度を見ている」という重要なメッセージを持っています。

“あたしひみこ”に基づく実践的技術

香山氏は、本書の中で「人あたりの良さ」を構成する要素を「あたしひみこ」と名付け、具体的な技術として挨拶から態度、言葉遣いまで様々な視点で解説しています。また、頼み方や断り方、視線など、実際のビジネスシーンで使える“選ばれる人”の共通の特徴を詳しく紹介。営業やマネジメント、接客業務に従事している人々にとって、非常に役立つ内容となっています。

書籍概要と著者プロフィール

この著書は2025年5月28日（水）に発売予定で、価格は1815円（税込）。出版社は光文社です。香山氏は立教大学を卒業後、JALに入社し、国際線のCAとして10年以上の経験を積んできました。在籍中に顧客満足度の表彰を受け、退職後は「一般社団法人ファーストクラスアカデミー」を設立。2万人以上に接遇研修を行い、リピート率97.2%の実績を持っています。また、高野山真言宗の僧侶としても活動しており、仏教哲学を取り入れた研修内容も魅力の一つです。

このような知識と経験を元に、香山氏は今後も「人間力」を高めるための支援を続けていくことでしょう。この本は、全てのビジネスパーソンにとって必読の一冊と言えます。