次世代船舶運航技術
2025-12-15 16:46:33

韓国・釜山で発表された次世代船舶運航の最適化技術とは

韓国・釜山で発表された次世代船舶運航の最適化技術



2025年11月下旬、韓国の釜山で開催された「Korea Maritime Mobility & Safety Expo(KMSE)」において、seawise株式会社が講演を行い、次世代船舶運航の最適化技術について紹介しました。この講演では、「Control-Driven Optimization(制御起点の最適化)」がテーマとなり、船舶運航の持続的な高性能化が実現可能であることが強調されました。

データの重要性



講演では、単なるデータ可視化に留まらず、船舶の制御そのものを改善するためには、高頻度かつ高精度なデータを活用する継続的な学習モデルが不可欠であると指摘されました。具体的には、最短1秒周期で取得される「VDR/データロガー情報」もとにした分析が行われ、船体の汚損具合や機関の性能劣化、さらには燃費変動の詳細な把握が可能であることが示されました。

実海域での最適化



特に、省エネデバイスによる燃費改善は限られた運航条件で効果を発揮するため、これらのデータを活用し、実際の航海において最適な運航を目指すことが重要と説明されました。すでにseawiseの分析モデルを利用した施策評価や、運航へのフィードバックが実施されている事例も紹介されました。

価値創出基盤としての役割



seawiseプラットフォームは、船主、船舶管理会社、用船社とアプリケーション開発者を結ぶ「データ価値創出基盤」としても機能しており、2025年11月時点で40社以上、さらに200隻を超える国際的なユーザーネットワークを形成しています。特に、常石造船の新造船にプラットフォームが標準仕様として搭載されることから、アジアや欧州での導入が急速に進んでいます。

GHG規制強化に備える



IMOでのGHG規制強化やカーボンプライシング制度が議論される中、CII長期予測や性能劣化の検知、航路の最適化が重要視されています。これに伴い、運航のOPEXコストを抑えつつ、持続可能な運航を実現するためにデータドリブンの運航最適化が必要不可欠であることが強調されました。

デジタル戦略の具体例



講演では、変化する規制や経済環境に対応するため、船主が中長期的な利益と環境対応の両立を図るための具体的なデジタル戦略が紹介され、seawiseが様々なデータを効率良く管理し、高パフォーマンスかつ低コストなクラウドサービスの運用を実現していることが説明されました。

エンジニアリング支援体制



加えて、関連会社の常石ソリューションズ東京ベイが提供する高精度モニタリング装置や、常石造船が開発したShaft Horsepower計測装置など、エンジニアリング支援体制も強調されました。これにより、データ収集から分析、設備導入までをサポートする「End-to-End Performance Partner」としての存在感を増しています。

今後の展望



最後に、seawiseの代表取締役、筒井一彰氏は「船舶のデータ活用は可視化から制御最適化の段階へと進化している。環境規制と収益の両立を図るためのソリューションを提供していきたい」と述べ、今後の取り組みへの意欲を示しました。

結論



KMSE 2025では、seawiseの講演が大きな注目を集め、参加者からの多くの問い合わせが寄せられました。海運業界のデジタル化・最適化が求められる中、seawiseの技術が今後どのように進化し、業界に影響を与えるのか、大いに期待されるところです。

会社情報

会社名
スターマリン・パブリックリレーションズ株式会社
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