人流データを活用した省エネの新技術
昨今の脱炭素化の流れやエネルギーコストの高騰を受けて、オフィスビルにおける省エネルギー対策が急務となっています。特に、空調は建物のエネルギー消費の大きな割合を占めており、これをいかに効率よく運用するかが求められています。そんな中、日鉄興和不動産株式会社、アジラ株式会社、株式会社JDSCの3社が協力し、東京都港区の「赤坂インターシティAIR」で、人流データを用いた空調最適化の実証実験を実施しました。
実証実験の目的と背景
この実証実験では、人流データを駆使して、快適さを損なうことなく空調の消費エネルギーを削減できるかを検証しています。日本国内では省エネ対策に対する規制の強化が進んでおり、電力コストの上昇も深刻な問題です。特に、空調は大部分のエネルギーを消費するため、その運用がカギとなります。
この取り組みにおいて、日鉄興和不動産とアジラは資本業務提携を締結し、その第一弾としてエネルギーマネジメントに人流データを取り入れることにしました。実証実験は2025年12月から始まり、空調運用における実データの分析を行い、その結果をもとに新たな不動産サービスの開発を目指します。
実証実験の詳細
実験は2025年12月から2026年2月の冬季と、2026年7月から9月の夏季の2回にわたって行われました。特に冬季の試験では、空調消費エネルギーを平均で27%削減できることを確認しました。特に休日には42%、平日では17%の削減効果が見られました。この結果は、人流に基づいた運用方法を取り入れることで、さらなる柔軟性と効率性を持たせることができると示しています。
実験で使用した技術は、アジラの行動認識AI技術を利用して、ビル内の人流データをリアルタイムで分析するものです。これにより、空調を運用する際に、どの時間帯やエリアでの人の数が少ないかを把握し、調整を行うことが可能です。
今後の展望
今回の実証をもとに、日鉄興和不動産とアジラは更なるスマートビルソリューションの開発を目指しており、2027年4月のサービス提供を見据えています。また、JDSCは引き続きデータ分析を行い、今後は「品川インターシティ」といった他のプロジェクトへもこの技術を拡大する予定です。
まとめ
人流データとAIを活用したこの取り組みは、快適さを保ちながら大幅な省エネを実現できる可能性があることを示しています。今後のデータ活用型スマートビルソリューションの進化に、大いに期待が寄せられます。施設全体の最適化を進めるため、これからもさらなる技術の発展が望まれるところです。