能楽師・奥川恒治の集大成公演『卒都婆小町』が神楽坂で開催

奥川恒治の会 - 最終公演『卒都婆小町』の魅力

能楽界の名手、観世流能楽師の奥川恒治が主催する「奥川恒治の会」が、いよいよ第20回を迎えます。2025年11月24日、東京都新宿区の矢来能楽堂で開催されるこの公演は、特に注目の作品「卒都婆小町」を上演します。この公演は、20年間の活動の集大成として位置付けられ、観客にとっても特別な意味を持つものになるでしょう。

「卒都婆小町」とは

「卒都婆小町」は、高名な美女・小野小町が99歳になって一生を振り返る物語です。年老いた小町の達観と、若き日の恋愛に翻弄された姿が描かれています。感情の深みと人生の哀感が交錯するこの作品は、観世流能楽の最高峰「老女物」に位置付けられるだけあって、観る者に強い印象を与えることでしょう。

公演の見どころ

公演は、開演までの時間を含め、約2時間40分です。奥川恒治が今回の主役を演じる他、豪華なキャストが揃い、能楽の魅力を存分に引き出します。特に注目すべきは、彼が長年のキャリアで培った技術を駆使して新たな解釈を加えた「卒都婆小町」です。その姿を観られる貴重な機会は滅多にありません。

公演の序章として、ごあいさつが行われ、地謡や多彩な仕舞も披露されます。石井寛人による『笠之段』や、永島充の『山姥』など、多くの段取りが楽しめ、さらに奥川恒成が出演する『鵺』なども見逃せません。地謡には名手が揃っており、聴覚を楽しませる演出が満載です。