AI設計支援システム「bomy」の誕生
愛知県に本社を構える株式会社CairoPlusは、製造業向けの新たなAI設計支援システム「bomy(ボミー)」の詳細設計とAI実装を担当しました。このシステムは、アンティナ株式会社の手によって開発され、製造業の設計エンジニアの業務を大きく前進させることを目指しています。
LLMとRAGを駆使した設計支援
「bomy」は、LLM(大規模言語モデル)とRAG(検索拡張生成)という最新の技術を組み合わせ、社内に蓄積された技術ドキュメントを解析し、設計構想書を自動生成する革新的なツールです。このシステムは、膨大な技術資料や関連法規の確認を省略し、エンジニアの負担を大いに軽減します。
製造業のニーズに応える
製造業の設計エンジニアは、これまで構想書や部品表の作成を個々のスキルや知識に依存していました。特にこのプロセスは時間を要し、専門知識が属人化するリスクを伴っていました。そんな中、アンティナの代表である安藤氏は、現場のニーズに応じた「本当に必要なAI支援」を求め、CairoPlusにその高度な要件を具現化することを依頼しました。
bomyの特長
工数の大幅短縮
このシステムは、構想書作成の時間を従来の「数日」から「数十分」へと短縮する機能を持っています。ユーザーは、企画書や設計資料、法規情報をアップロードすることで、LLMが内容を解析し、迅速に構想書のドラフトを自動生成してくれます。RAG技術のおかげで、社内の信頼できる資料を根拠にしているため、AIが誤った情報を出力するリスク(いわゆるハルシネーション)が大幅に低減されています。また、生成した内容はExcel帳票にも容易に出力できます。
高度な情報検索機能
次に注目すべきは、ハイブリッド方式による情報検索機能です。キーワード検索とLLMによる意味的検索を組み合わせ、社内の膨大なデータから必要な情報を的確に抽出します。AIによるReranking処理により、検索精度も向上。これにより、ベテランエンジニアの蓄積した知識を組織全体で活用できるようになります。
直感的な対話機能
さらに、bomyには対話形式でLLMに質問する機能もあります。この機能では、RAGが社内資料を基に必要な情報を引用しながら回答を行います。不足している場合は、Webを検索し、自動的に情報を補完することが可能です。このように、設計の妥当性確認やFMEA(故障モード影響解析)に向けた観点整理が効率的に行えるようになります。
セキュリティへの配慮
bomyは、現在はAWSクラウドで運用されていますが、ローカル環境への導入も視野に入れています。特に機密性の高い設計データを扱う企業にとって、オンプレミス構成が選べることは大きな魅力です。これにより、社外に機密データを漏らすリスクを回避しつつ、高度なAI支援を享受することが可能です。
両社の役割
製品の戦略立案や業務要件の定義はアンティナ社が担当。CairoPlusはその実装を担い、詳細設計やクラウド構築、UI/UXの開発を行いました。両社は緊密に連携し、bomyの機能向上に努めています。
将来的な展望
製造業の設計構想書作成や技術ドキュメントの活用に関する課題は、自動車部品から化学素材、住設機器に至るまで様々な業種に共通しています。今後、部品表出力機能の強化や、早期段階でのデザインレビュー支援機能の向上を目指しています。そして、AIによるFMEAの自動生成や、潜在的リスクの早期発見を通じて、後工程での手戻りを大幅に削減することを目指しています。さらには、設計データと市場データを連携させた予知保全ソリューションへと進展し、製造業全体のバリューチェーン最適化を図るAIシステムへの成長を目指しています。
会社情報
所在地:愛知県豊田市東大林町岩本29番地3
事業内容:AIエージェント開発、製造DX支援
Web:
cairo-plus.com
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅四丁目24番5号 第2森ビル401
事業内容:製造業向け設計支援システムの開発
Web:
an10na.jp